Infineon Technologiesは、次世代セキュリティIC向けに90nmプロセスを採用した技術「SOLID FLASH」を開発、提供を開始したことを発表した。

同技術は、220nmや130nmプロセスですでに実績があるUniform Channel Program(UCP)フラッシュ・セル技術を活用したもので、このSOLID FLASHベースによるセキュリティコントローラを用いることで、カスタマはプロトタイプ化、サンプル化、コード変更をサンプルのハードウェアにより行うことができるようになる。また、同製品はシステムインテグレータがオンデマンドで設定を行うことができるため、最小限の種類の非特定用途向けフラッシュ製品の在庫で済むようになるほか、マスクROMとの比較では、チップ生産時のリードタイムが50%以上削減されると予想されると同社では説明している。

さらに、開発・物流プロセスでの優位性以外にも、高度なセキュリティコンセプトを実現したことで、マスクROMと同水準のセキュリティを提供することが可能となった。こうした機能面でのセキュリティは、セキュアなダウンロード、特殊なロック機構によって保証される。同機構は、独自のフラッシュローダによって実現されるもので、ハードウェアとともに認定取得を完了している。

加えて、解析やティアリングからメモリを保護するため設計上の対策をいくつか導入しており、ハードウェア・ファイアウォールは、コード、データ、その他のアプリケーションを分離するほか、エラー訂正機能では、1ビットのエラーを修復することが可能となっている。

なお、SDA(静的データ認証)とDDA(動的データ認証)の接触型決済アプリケーションを対象とした90nmプロセス採用SOLID FLASH製品の第1弾「SLE 77」ファミリはすでに、EMVCoやCommon Criteria EAL 5+(high)認定にて公式に認められており、同社では2011年には、SOLID FLASHベース製品の拡充を進めていく予定としている。