日本SGIは12月14日、東北大学流体科学研究所が先端の流体科学研究の基盤となる次世代融合研究システムにSGIのスーパーコンピュータ最上位機「SGI Altix UV 1000」を採用したことを発表した。同システムは2011年4月1日より本格稼働開始する予定で、エネルギー、航空宇宙、ライフサイエンス、ナノ・マイクロテクノロジー分野における流体科学研究を推し進める同研究所の中核設備として基礎研究から共同研究まで幅広く活用されることとなる。
同研究所の次世代融合研究システムは、実験研究と計算研究を一体化した次世代融合研究手法を具現化するために2005年に初めて導入されたもので、大規模な計算システムと3次元可視化システムから構成されている。環境・エネルギーにおける大気の流れやライフサイエンスにおける血液の流れなど複雑化・多様化する流体科学の重要課題を解析・制御するためには、システムの計算精度と計算速度、可視化の性能を飛躍的に向上させることが不可欠となり、今回、現行システムを更新して性能の向上と大規模化を図ることとなった。
新たな計算システムとして導入される「SGI Altix UV 1000」は、Intel Xeon 7500番台を搭載し、総CPUコア数が現行の3.5倍の3,584コア、理論ピーク性能は約4倍となる32TFlops、総メモリ容量は10TB、総ディスク容量は2.4PBとなる。最大4TBの巨大なメモリ空間が利用可能なグローバル共有メモリをはじめ、独自のアーキテクチャも今回のシステム要求を満たすものとして製品選択の理由となっていると同社では説明している。
また、次世代融合研究システムにおいて、実現象における複雑な流れの情報をリアルタイムに空間内に再現する上で重要な役割を果たす3次元可視化システムもアップグレードし、 3次元可視化サーバおよびマルチスクリーン立体視システムの導入・構築まで、同社 が計算システムと合わせて総合的に行う予定となっている。