12月9日から11日にかけて、環境展示会である「エコプロダクツ2010」が東京ビックサイトで開催された。その中からスマートコミュニティゾーンの展示を紹介する。
古河電工グループでは超伝導実験のデモンストレーションが行われていた。会場には子供が多く、子供も楽しめる内容となっていた。スマートグリッドでは超伝導による電力貯蔵が期待されている。
次世代自動車のコーナーでは軽量高強度アルミ合金によるリチウムイオン電池の軽量化が展示されていた。また従来の銅電線に比べ、軽いアルミ電線も展示されていた。このようにアルミ技術により次世代自動車の軽量化が図られるのだ。
エネルギー・スマートグリッドのコーナーでは、鉛電池と非対称キャパシタをハイブリッド構成にし、瞬時の電力負荷にも耐えられるようにしたウルトラバッテリーが展示されていた。
またスマートグリッドにおける蓄電池の冷却にも適用されるヒートパイプ式ヒートシンクが展示されていた。ヒートパイプは特殊な内部構造により熱伝導率がよく、ノートPCのCPUの冷却に多く採用されている。
明電舎のブースでは、スマートグリッドへの取り組みの全体像がパネルで紹介されていた。電力供給者側のメガソーラー発電、電力貯蔵システム、電力消費者側のスマートBEMS、マイクログリッドの4分野についてのパネル展示であった。
最近の明電舎の案件として2012年に運用開始が予定されている1,200万kwhの発電量を誇る米倉山太陽光発電所、横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)でのスマートBEMS、シンガポール科学技術研究庁のマイクログリッド実証プラントについて大きく紹介されていた。
横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)のBEMSでは、蓄電・蓄熱システム、充放電対応EV、コージェネレーションシステムなどのエネルギー機器群を最適制御する |
マイクログリッド実証プラントでは、電力系統や再生可能エネルギー発電をエミュレートする機能を持つ |
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のブースでは、定置用蓄電システム技術として風力発電所に設置されるリチウムイオン電池システム、ヒートポンプ、太陽光発電関連技術などが展示されていた。
NTTグループのブースでは、スマートハウスの将来像の寸劇を見ることができた。
エコーネと呼ばれるシステムにより家庭内の電力消費量のグラフと、電力消費に関するアドバイスがパソコンに表示される。これを見ることにより住人は自ら電気の節約に励むことができる。
また、携帯電話から家庭の電気錠の施錠や、エアコンや照明のON/OFFを制御するというNTTドコモの「ケータイホームシステム」ソリューションが紹介された。
NTTデータ アウラは三洋電機のリチウムイオン電池を使った「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム」を展示していた。これは家庭向けの太陽光発電、燃料電池、風力発電などとリチウムイオン電池を組み合わせ、エネルギーの地産地消の実現を目指すものである。岐阜県で実証実験を行っているそうだ。