米Gartnerは11月30日、2011年以降にIT部門およびユーザーへ長期的に大きな変化を与える重要な展望「Gartner Predicts2011」を発表した。2011年版は、調査対象の全分野を網羅した100を超えるガートナーの重要な展望が公開されている。

2011年の上位に挙げられている展望では、ITに関する意思決定とその成果の関連性について、経済と社会の両面から、より明確に焦点を当てられている。同社が特に重要としている展望は次のとおり。

  • 2015年までに、G20各国の基幹インフラはサイバー攻撃により混乱し損害を受ける
  • 2015年までに、Global 2000企業における新しいCIOの大半の年収は毎年IT部門が創出する新たな収益によって決まる
  • 2015年までに、情報を賢く活用している企業においてIT部門が主管するIT支出は1人当たり60%増加する
  • 2015年までに、ITサービスに関連する労働時間はツールおよび自動化によって25%削減される
  • 2015年までに、IT分野以外のGlobal 500企業の20%がクラウド・サービス・プロバイダーになる
  • 2014年までに、企業の90%がパーソナル・デバイスでコーポレート・アプリケーションをサポートする
  • 2013年までに、企業の80%がタブレットを使っている従業員をサポートする
  • 2015年までに、オンラインの「友人」の10%は「人以外」になる

ITを活用して不況を乗り切り成長軌道に乗った企業は、さまざまなメリットを手にするが、統合・最適化・コストの透明化などのプロジェクトにより、分散されているIT費用の可視性が高まり、IT部門が主管するIT支出は最低でも60%増加すると、同社では予測している。

また、ソーシャル・メディア戦略はプレゼンスの確立、会話の閲覧、会話 (メッセージの発信)、最終的な双方向の完全なコミュニケーション関係といった段階を踏んで実行される。現時点で多くの企業がプレゼンスを確立し、TwitterのフィードやFacebookのアップデートを通じてメッセージを発信しているが、「通常これらはRSSフィードから若干ステップアップしただけにすぎない」と同社では指摘している。

さらに、2015年までに、ソーシャル環境への参加の自動化と体系化が進み、「ソーシャル・ボット」が登場するとしている。ソーシャル・ボットとは、自動化されたソフトウェア・エージェントで、個人に合わせてパーソナライズした形で、さまざまなレベルでユーザー・コミュニティとのやりとりをサポートするもの。