Google Chrome runs web pages and applications with lightning speed.

Windows向けのChrome 9開発版にクラウド印刷の機能が追加された。クラウド印刷の項目自体はChrome 8開発版に追加されていたが、動作する実装が追加されたのは9開発版からとなった。メニューボタンから「オプション」、「高度な設定」、「Google Cloud Print」と選択していって機能を有効にすれば利用できる。有効にする時にGoogleアカウントの入力を求められる。有効にした後は、Googleアカウントにログインした状態でクラウド印刷の機能を利用できる。今のところ提供されているのはConnect a printer to Google Cloud Printのデモ印刷など。

Chrome 9.0.597.10 devで試した限りでは、クラウド印刷を有効にするとWindowsにインストールされているプリンタドライバを検出してクラウド印刷で利用するプリンタとして自動的に登録が実施される。プリンタの削除や印刷ジョブの制御、印刷履歴の閲覧などはGoogle Cloud Printのページから実施可能。このページはChromeからアクセスする必要はなく、ほかのWebブラウザからも利用可能。

クラウド印刷の管理ページ。OSにインストールされているプリンタドライバから自動的にプリンタを検出して登録が実施されている。印刷状況の表示、プリンタの削除、印刷履歴の閲覧と削除などを実施できる。

印刷はChrome以外のブラウザからも実施できる。印刷オプションも利用可能。

AirPrintと違い、ブラウザが印刷するにあたってプリンタと同じネットワークセグメントにある必要はない。クラウド印刷を実施するとデータは一旦Googleに送信される。印刷できる状態であればプリンタから印刷が実施され、そうでない場合にはキューに溜まることになる。

Safari 5 on Mac OS X Snow Loepardからクラウド印刷を利用

Opera 11 Beta on FreeBSD 9からクラウド印刷を利用

iPadからクラウド印刷を利用

iPhoneからクラウド印刷を利用

3G回線経由や違うネットワークセグメントからも印刷できる理由は、プリンタと同じセグメントにあるChromeがプリンタサーバのように動作するところにある。クラウド印刷を有効にしたChrome 9開発版は印刷サーバとしても動作する。どうやら定期的にクラウド印刷のキューをチェックしにいって、キューにデータが溜っている場合にはダウンロードしてきて印刷を実施しているようだ。このため、同じセグメントでChromeが動作していれば、ほかのネットワークセグメントからもあっても印刷できる。Chromeのウィンドウを閉じてもChromeプロセス自体は実行されているため、Chromeが実行されていないように見える状況でも印刷は実施される。

iPadやiPhoneから直接印刷できるようになるAirPrintは、基本的に同じセグメントにプリンタが設置されている必要がある。Googleクラウド印刷では一旦データをGoogleサーバに送信するため、Chrome 9がプリンタのあるセグメントで動作してさえいれば印刷ができるというわけだ。遠隔地から印刷操作をまとめて実施して、印刷したくなったら該当ネットワークでChromeを起動して印刷を実施するといったこともできる。

今のところクラウド印刷を使えるアプリケーションはデモアプリ程度しかないようだが、対応次第ではとても有用な機能になる。どれかひとつのOSにプリンタドライバをインストールしてあれば、ほかのOSやデバイスからはそのOSで動作しているChromeを経由して印刷できるわけだ。Googleアカウントに対応したプリンタが登場すれば、ドライバをインストールすることなくプリンタにアカウントを設定してネットワークに接続しておけばすぐに印刷できるようになる可能性もあり、今後の展開が注力される。