ルネサス エレクトロニクスと米Green Hills Software(GHS)は12月8日、リアルタイム制御に適したCPU仮想化技術に対応する基本ソフトウェアおよびソフトウェア開発環境の共同開発に合意したことを発表した。
この共同開発により、ルネサスは、多様な制御処理をリアルタイムで高速に実行する仮想化ソフトウェアの効率的な動作およびソフトウェア開発環境のユーザビリティ向上に必要な付加機能の開発を行い、V850をCPUとするマイコンへ導入する計画。
またGHSは、既存のV850対応のコンパイラ、デバッガなどを含む統合開発環境「MULTI(マルチ)」を、複数のアプリケーションを独立かつ同時に同一のCPU上で動作させることができる同社製のリアルタイムOS「INTEGRITY(インテグリティ)」などの仮想化対応ソフトウェアに対応させる移植を行うこととなる。
今回開発するソフトウェア開発環境により、V850が導入する仮想化技術に、最適化されたコンパクトかつ高速実行可能な命令コードの生成、およびIEC 61508などの規格準拠で実績のあるINTEGRITYをはじめとする仮想化ソフトウェアが組み合わされることとなり、機能安全に必要なシステム/ソフトウェアの開発手法および機能安全を満たすシステムの実現手法を効率良くサポートすることが可能となる。
さらに、将来的にはISO26262機能安全規格対応など、セキュリティをサポートする機能への取り組みも行っていく予定としている。
なお、今回の共同開発の成果となるソフトウェア開発環境はGHSから販売されているMULTI(V850版)の一機能として、提供される予定だ。