東京エレクトロン デバイス(TED)は12月7日、SDメモリカードがSD規格に適合しているかを判定するSDカードコンプライアンステストシステム「TD-BD-SDCMPTestC」を、同社のブランドである「inrevium」として商品化し、即日販売を開始したことを発表した。標準価格は100万円(税別)となっている。
SDカードコンプライアンステストシステム「TD-BD-SDCMPTestC」 |
SDメモリカードの大容量化、高速化が進む一方、SDメモリカードの製品開発において、SD規格の中の電気的特性に対する適合性については、各メーカーのテストに一任されている。また、最新の高速インタフェース規格「UHS-I」に対応したSDメモリカードの設計は複雑で、相互接続性の面で問題が発生することが懸念されている。
しかし、その一方でSDアソシエーションにて、UHS-Iに対応した"SD Specifications Part 1 Physical Test Specification for Card Version 3.00"が策定されたことから、SDカードメーカーからのテスト規格に準じたコンプライアンステストツールの要求が高まっているというのが現状であった。
同システムは、SDメモリカードへの信号レベルや信号位相、電源電圧の変更による動作確認、およびカード出力タイミング観測や消費電力測定を行うことで、SDメモリカードがSD規格に適合しているかをテストするシステム。PCを接続し、付属のWindows用GUIソフトウェアを用いることで手軽にテストの合否判定が可能となる。
また、Agilent Technologiesのオシロスコープ「Infiniium 9000/90000シリーズ」との接続により、テストの合否判定だけでなく、詳細の波形データの測定が可能であり、TEDからオシロスコープとセットでの提供も可能となっている。
SDカードに書き込み/読み出しを行い、読み出されたデータと書き込まれたデータを比較することでSD規格に合致しているか判定 |
SDカードから読み出されたデータをオシロスコープにて計測し、SD規格に合致しているか判定し、詳細な計測波形を表示 |
各種テストは付属のGUIソフトウェアおよびオシロスコープからUSBを通じて設定が可能で、テスト結果はデータベースファイルおよびHTMLファイルで出力される。
さらにSDアソシエーションで承認されたテストツールで、UHS-Iをカバーした"SD Specifications Part 1 Physical Test Specification for Card Version 3.00" の中で、電気的特性のテスト項目を規定したTest Group6: Bus Operation Conditionsの一部をテストすることが可能となっているため、SDメモリカード開発における製品評価や、ホスト機器開発におけるホスト機器側とSDメモリカード側との不具合の切り分けに利用可能で、カスタマは製品の早い市場投入が可能となると同社では説明している。