WikiLeaks創設者のJulian Assange氏への逆風がさらに強まっている。12月6日、スイス郵便のPostFinanceが同氏が寄付金受け取りに使っていた口座を凍結したことを発表し、英警察はスウェーデン当局が発行した国際逮捕状を受け取ったことを明らかにした。Assange氏の今後の一挙一動が世界の関心を集めている。
WikiLeaksは「政府をオープンにする」というモットーの下、非営利で機密情報を公開している。先のアフガン紛争関連の米軍機密情報に続き、11月には米政府の外交公電25万件以上を公開し話題を呼んだ。
だが、創始者のAssange氏に対する逆風も強まっており、WikiLeaksのサイトは外交公電公開後にDoS攻撃を受けた。その後利用した米Amazonのクラウドサービスも数日でサービス停止となり、DNSサービスのEveryDNSもサービスを停止した。現在、WikiLeaksはドメインをスイスに移し、その後主として支持者が立ち上げたミラーサイトにより閲覧可能な状態にある。
一方、寄付金用に利用していたPayPal(米eBay)は12月3日、利用規約に違反したとしてWikiLeaksのアカウントを永久に制限することを発表している。
今回のスイスPostFinanceは、Assange氏が口座開設時に提供した情報に誤りがあったことを口座凍結の理由に挙げている。Assange氏はスイスに居住地があることを主張したが、実際には実証するものがなかったということのようだ。金融機関では、MasterCardもサービス停止したとCNet Newsが報じている。
英政府が受け取った国際逮捕状は、スウェーデン当局が発行した逮捕状を受けてのもの。スウェーデン司法は今年8月、レイプ容疑で逮捕状を出したがすぐに撤回した。そして11月、再度調査が始まり、同様の容疑で逮捕状が出た。Assange氏は一貫して容疑を否定している。
BBCによると、Assange氏はロンドン地区にいると思われており、令状は首都警察に送られるという。Assange氏の英国の弁護士は、警察と会合を持つよう調整中と語っているとのことだ。