Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは12月6日、高性能かつ多機能な工業用デジタル・マルチメータ「Agilent U1270シリーズ 工業用ハンドヘルド・マルチメータ」として「U1271A」「U1272A」を発表した。即日販売を開始しており、価格はU1271Aが3万4,377円(税別)、U1272Aが3万7,435円(税別)となっている。
Agilent Technologiesの基本測定器事業部(BID)ワールドワイド・マーケティング担当ディレクタであるGooi Bor Chun氏 |
同社が本悪的にハンドヘルド・マルチメータの販売を開始したのが3年前。「この3年の間にカスタマからさまざまな要望が寄せられた。それを凝縮したのが今回の2製品」と同社基本測定器事業部(BID)ワールドワイド・マーケティング担当ディレクタのGooi Bor Chun氏は語る。
「暗闇や高湿度、高温などのさまざまな過酷な環境での利用を考慮し、我々は「Safety」「Ruggedness」「Feature Rich」「Ease of Use」の4つをターゲットに製品の開発を行ってきた」(同)としており、さまざまな現場での測定を意識した機能が搭載されているという。
特にSafetyに関して2製品は、発電所内部などの非常に過酷な環境である「カテゴリ4」での利用も想定した産業用途向けデジタル・マルチ・メータ(DMM)となっている。
電流、抵抗、周波数、温度、電圧、導通、ダイオード・テスト、キャパシタンスの測定が可能であり、30000カウントの表示が可能なほか、10000ポイントのデータロギングが可能。
また、ローパスフィルタを搭載しているほか、U1272Aには「low input impedance function」機能を搭載。これによりインピーダンスを下げることで、浮遊電圧の影響を低減させることが可能となっている。
さらに、溶接工場や常に機械が動いて騒音が発生しているなどの騒音環境下でも異常事態が分かるように、音によるアラームだけでなく、LCDを点滅させて異常事態を知らせる「Flash アラート機能」も搭載されている。
加えて、機能のみならず、デザインも重視。「手に持ちやすいようにくびれをつけたほか、各種ボタンの数も従来機よりも減らした」(同)という。また、背面カバーを開くと、電池交換のほか、フューズの交換も可能となっており、予備のフューズを持ち歩き、現場でフューズが切れた場合でも、簡単に交換して作業にすぐに復帰することが可能となっている。
同氏は今回の2製品について「カスタマニーズに沿ったハンドヘルドシリーズの第1弾製品だと思ってもらえれば」と語っており、「確かにこの分野で非常に強い競合が居ることは理解している。しかし、良いものを安く提供することを目指し、かつ形にもこだわったDMMがなかなかないことも認識している。今回の製品はそういった意味でもカスタマに喜んでもらえるものとなったと自負しており、我々のハンドヘルド・マルチメータのフラッグシップへと成長させていければ」と期待を語ってくれた。