富士通とオラクル・コーポレーション(以下、オラクル)は12月2日、新CPU「SPARC64 VII+」によって性能強化を図った「SPARC Enterprise Mシリーズ」を発表。同日より提供を開始した。
Mシリーズ製品に新たに搭載されるCPU「SPARC64 VII+(セブンプラス)」は、動作周波数がこれまでの2.88GHzから3.0GHzに、L2キャッシュの容量が同6MBから12MBとなり、従来のSAPRC64 VII搭載サーバ比で約20%の性能向上が図られているという。
製品ラインナップは1CPUの「M3000」(「SPARC64 VII+」搭載モデルは2011年度提供開始予定)と「M4000」(最大4CPU<16コア>)、「M5000」(同8CPU<32コア>)、「M8000」(同16CPU<64コア>)、「M9000」(同64CPU<256コア>)の5機種。
Oracle Database 11gの機能である「Oracle Database Smart Flash Cache」とSSDを組み合わせた場合の従来モデルとの性能比では、スループットでは約3倍、レスポンスタイムでは約10倍になるといった検証結果が出ているとされる。
また、「SPARC Enterprise Mシリーズ」は従来のCPU「SPARC64 VI」「SPARC64 VII」と新CPUとの混在が可能で、ハードウェアを長期的に利用することを想定した設計思想が反映されていることも特徴の1つとなっている。
「SPARC Enterprise Mシリーズ」の価格(税別)は以下の通り。
SPARC Enterprise M9000: 1億1093万6000円(SPARC64 VII+ 4CPU、32GBメモリ構成時) / SPARC Enterprise M8000: 4613万6000円(SPARC64 VII+ 2CPU、32GBメモリ構成時) / SPARC Enterprise M5000: 1163万円(SPARC64 VII+ 2CPU、16GBメモリ構成時) / SPARC Enterprise M4000: 684万円(SPARC64 VII+ 2CPU、 8GBメモリ構成時)
ちなみにM9000クラスの製品は、携帯電話キャリアの課金管理システムなどで利用されているとのことだ。
なお、Mシリーズについては今回の新製品より製品デザインやロゴの共通化が図られ、全世界統一ブランドとして富士通、オラクル両社で販売される。