ルネサス エレクトロニクスは、TV、Blu-ray Discレコーダ、エアコンなどの家電機器向けに、家電用RFリモコンの国際規格「ZigBee/RF4CE」に対応した小型フラッシュメモリ内蔵マイコン「R8C/3MQグループ」を製品化し、2010年12月よりサンプル出荷を開始することを発表した。サンプル価格は、1個あたり600円となっており、量産は2011年6月から開始し、月産50万個を計画している。

ZigBee/RF4CEに対応した小型フラッシュメモリ内蔵マイコン「R8C/3MQグループ」

同グループは、新たに開発したZigBee/RF4CE対応RFトランシーバ回路を内蔵することで、送受信時の消費電力を従来製品(M16C)の約55%に削減、送信時18mA、受信時25mAを実現している。また、無線通信特性として受信感度-95dBm、送信出力レベル0dBmを達成。IEEE802.15.4の規格である受信感度-85dBm以下、送信出力レベル-3dBm以上を満たしている。

さらに、1.8Vで書き換え/消去が可能な最大128KBのフラッシュメモリと4KB(1KB×4ブロック)のBGO機能付データフラッシュを内蔵。従来のM16C/6Bでは、フラッシュの書き換え/消去は2.7Vでの動作を保証していたが、低電圧化ニーズへの対応として1.8V動作に対応した。これにより、電池による動作が可能となったほか、動作電圧を下げたことで消費電力を削減することができ、家電機器のグリーン化が可能となる。BGO機能はデータフラッシュが1.8Vで書き換え/消去中でもCPUが命令を実行できる機能であり、これにより、ユーザはデータフラッシュの書き換え/消去を意識することなくプログラムの開発が容易となるほか、データフラッシュを内蔵することで、外付けのEEPROMを削減することも可能となっている。

このほか、ZigBee/RF4CE対応RFトランシーバ回路、フラッシュメモリの他に、パワーオンリセットやBGO機能付データフラッシュなどの周辺機能を、40ピン小型(HWQFN)パッケージに搭載。パッケージサイズは6mm×6mm×0.75mmで実装面積を従来M16C/6B比約45%に削減しており、これにより、システムの省スペース化が可能となる。