エムオーテックスとマイクロソフトは11月30日、ソフトウェア分野で協業を行い、Windows Azure Platformを基盤としたクラウドビジネスを推進し、新たな顧客層と市場を開拓していくことを発表した。
今回の協業に伴い、エムオーテックスはマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Windows Azure Platform」を基盤とし、ネットワークセキュリティ統合管理ツール「LanScopeシリーズ」のクラウドサービス「Cloud Cat」を開発する。データベースにはMicrosoft SQL Azureが採用される。
エムオーテックス 代表取締役の高木哲男氏は、「われわれはこれまでSEとラインマネージャーのための管理ツールとして、LanScope Catを提供してきた。しかし、最近は、さらに経営者にとって必要なツールが必要と感じており、そのための製品を来年から提供していく」と説明した。
エムオーテックスはCloud Catに加え、企業の生産性向上や消費電力/CO2削減を実現する製品として、「LanScope MMS(仮称)」の提供を予定している。同製品はこれまでのLanScopeシリーズを改良するのではなく、Microsoft Silverlightによってゼロから開発が行われる。「LanScope MMSはLanScope Catの機能を半分くらい踏襲し、残りの半分はまったく新しい機能を備えることになる。ソースコードはすべてMicrosoft Silverlightのものとなる」と同氏。
同社は今後LanScope Catシリーズをはじめとする製品の開発環境として、マイクロソフトの「Visual Studio 2010」と「Team Foundation Server 2010」を利用していくほか、製品で採用するデータベースも「SQL Server」と「SQL Azure」に集約し、「マイクロソフト路線」を固めていく。
マイクロソフト 執行役 パートナービジネス営業統括本部長 高橋慎介氏からは、両社の取り組みについて説明がなされた。同氏は、「エムオーテックスはISVコンピテンシー部門で『マイクロソフト パートナー オブ ザ イヤー2010」受賞したり、パートナーカンファレンスに参加したりするなど、当社のパートナーとして積極的に活動されている。これまでサーバが必要だったLanScope CatをAzure上に展開することで、中小企業にまで導入対象を広げることが可能になる」と述べた。
マイクロソフトもシステム管理製品として「System Center」を持っているが、「同製品ではカバーしきれない部分もあるため」(高橋氏)、そこをLanScope Catで補うことで、大企業への販売を促進していく。
Cloud Catは、リコージャパンが中堅・中小企業を中心に展開している「NETBegin BBパック Select」のラインアップとして提供されることが決まっている。価格は未定。