Texas Instruments(TI)は、ARM9搭載のマイクロプロセッサ(MPU)「Sitara」として、各種のファクトリ・オートメーション装置間の通信機能として普及しているフィールドバス「PROFIBUS(プロフィバス)」インタフェ-スを1チップに統合した「AM1810」を発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)は9.95ドルとなっている。

同製品は、一般的な複数チップ構成のソリューションと異なり、PROFIBUSインタフェースをRS-485トランシーバに直接接続できるため、外付けのPROFIBUSインタフェース用ASICやFPGAなどが不要。そのため、システム性能の向上と同時に、開発期間の短縮およびシステム・コストの低減を可能とすることが可能なため、PLCおよびHMIなどのほか、各種の工業用アプリケーションに最適と同社では説明している。

また、低消費電力アーキテクチャを採用しているため、より簡素な放熱設計で、小型の筐体やハウジングを使用してPROFIBUS対応製品を開発することが可能だ。

さらに、内蔵ペリフェラル・モジュールの1つであるPRU(Programmable-Real-Time Unit)内に、PROFIBUS向けのリアルタイム・フレーム・ハンドラであるFDL(Fieldbus Data Link)を統合している。PRUは内部のシステム・バスを通じてARMコアと接続されており、PROFIBUS DPにおいて最高12MBaudの通信速度と、高速なシステム応答を実現することが可能。加えて、複数の接続メモリ・オプションを提供することで、シリアル・フラッシュからブートし、内部RAM上でPROFIBUSを実行するため、外部メモリ不要でPROFIBUSノードを動作させることができる。統合されたPROFIBUSソリューションは、OSのアブストラクション・レイヤ(仮想レイヤ)も備えていることから、OSに依存しないPROFIBUS DPプロトコル・スタックを実現し、設計上の柔軟性を提供することも可能となっている。

なお、同社は業界団体であるPROFIBUS International(PI)への参加も決定しており、開発の迅速化およびコストの低減に役立つ認証試験済の統合ソリューションの提供を通じて、工業用市場への取組みを行っていくとしている。