lead_mobile大日本印刷(DNP)は11月30日、ルネサス エレクトロニクスNFCマイコン「RF21S」を搭載した、NFCモジュール「μMarida(マイクロマリダ)」を発表した。

大日本印刷(DNP)は11月30日、ルネサス エレクトロニクスNFCマイコン「RF21S」を搭載し、近距離無線通信規格「NFC(Near Field Communication)」に対応した、NFCモジュール「μMarida(マイクロマリダ)」を発表した。2011年3月よりサンプル供給を開始、2011年7月に販売を開始する予定。

厚さ1mmを実現したNFCモジュール「μMarida」

NFCは、FeliCa、Type A、Type Bの3種の非接触ICカードと互換性があり、1つのリーダ/ライタで3種のICカードと通信できるため、モバイル機器など、さまざま用途での活用が期待されており、同社でも独自の部品内蔵プリント基板製造技術を活かし、モバイル機器などに向けた8mm角、厚み1.6mmのNFCモジュール「マイクロマリダ」を2010年9月に開発していた。

今回、ルネサス製のNFCコントローラマイコン「RF21S」を新たに採用することで、モジュールをさらに0.6mm薄くして厚み1mmを実現するとともに、金融決済、交通システム、IDカードなど、セキュリティ性が求められる用途にも対応可能なNFCモジュールが開発された。

同モジュールは、組み込む機器の仕様に合わせて、コンデンサ、抵抗などの部品を搭載して提供することが可能で、1mm厚による薄型モバイル機器への組み込みが可能となっている。また、RF21Sは暗号演算などのセキュリティ機能を有しているため、金融決済や交通システム、IDカードといった用途にも対応可能で、従来、そうした用途に必用とされていた「セキュアエレメントマイコン」を不要とすることができる。

また、NFCモジュールに接続するアンテナは、組み込む機器の仕様に合わせて自由に設計が可能だ。さらに、インピーダンスを調整するマッチング回路をモジュール上に集約しているため、機器組込後の環境にあわせ性能を最適化するカスタマイズも可能となっている。

なお、同社では今後もNFCモジュールのラインアップを拡充し、国内外のモバイル機器メーカーをはじめ、幅広い用途に向けて販促を行っていくことで、2011年度で10億円の売り上げを見込むとしている。