ルネサス エレクトロニクスは11月30日、スマートフォンなどの携帯電話やノートPC、周辺機器などの民生機器などに向けて、NFC(Near Field Communication)の国際標準規格ISO/IEC 18092対応のコントローラと、セキュアエレメント機能を1チップで実現したNFCマイコン「RF20シリーズ」の第1弾として「RF21S」を製品化し、2011年3月よりサンプル出荷を開始することを発表した。サンプル価格は1個あたり500円からとなっており、量産は2011年7月からを予定。半年後には月産100万個規模へと拡大する計画としている。

NFCマイコン「RF21S」

同製品は、同社のセキュアマイコン「RS-4」とNFCコントローラ、セキュリティ機能を1チップに集積し、金融決済や交通システムカード、IDカードとしての機能を1チップで実現可能としたもの。このため、システム開発やシステム評価の効率化が可能なほか、1チップ化により外付けセキュアエレメントとの通信が不要のため、交通システムでのゲートトランザクション時間の短縮も可能だ。

また、偽造や改ざんなどのセキュリティ上の脅威への対策も実施しており、EMVCoセキュリティ認証を取得予定なほか、MIFAREの対応も計画中としている。

さらに、独自のパッケージ技術「WPP(Wafer Process Package)」を採用することで、パッケージ厚0.22mmを実現。携帯電話や小型化が要求される機器への実装設計の効率を向上することが可能となっている。

加えて、携帯電話など機器組込製品へのNFC機能実装に必要なソフトウェア(通信ライブラリやHCI(Host Controller Interface)などのミドルウェアなど)の提供を順次行っていくことを予定しているほか、NFCフォーラムによる互換性検証への参加、ベースバンド・プロセッサやアプリケーション・プロセッサなどホスト側に必要なミドルウェアに関する、サードパーティによるサポートなども計画しているという。