Freescale Semiconductorは、データやセキュリティ、音声、ファックスなどの各種サービスを統合したマルチサービス・ビジネス・ゲートウェイ(MSBG)機器に向けた包括的なプロセッサ/ソフトウェア・ソリューションを発表した。
同ソリューションは、同社のプロセッサ「QorIQ P1020」をベースに、同社が提供するセキュリティ・アプリケーション・ソフトウェア「VortiQa」とD2 Technologiesの組み込みソフトウェア「vPort VoIP」を統合したもの。将来のサービス追加に向けてGreen Hills Softwareの仮想化サポートにも対応している。
機器メーカー各社のMSBG機器の開発簡素化を目指した同ソリューションは、P1020などのQorIQ製品と連携して、統合脅威管理(UTM)機器、セキュア・ルータ、IPS/IDS機器、VPNルータ、セキュア・スイッチなどのアプリケーションのリファレンス・デザインとしても活用することが可能。
同ソリューションをベースとする製品は、P1020が持つ2コアの一方のコアでセキュリティ・アプリケーションを実行しつつ、もう一方のコアでオフィス・アプリケーションを実行できるため、サービス・プロバイダは、オフィス機能の追加と削除を柔軟かつ容易に行うことが可能となっている。
また、vPortはステートフル・パケット・インスペクション(SPI)ファイアウォール機能、NAT機能、およびQoS(サービス品質)機能とトラフィック管理機能を備えており、性能に最適化されたIPsec VPN(仮想プライベートネットワーク)機能を搭載しているほか、G.711/G.729AB/G.726音声圧縮、G.168エコー・キャンセル機能、パケット・ロス補償、トーン検出/生成、ならびにジッタ・バッファなどに対応する最適化済み音声機能や三者会議、自動転送、キャッチホン、ナンバー・ディスプレイ、着信履歴、短縮ダイヤルなどに対応する高性能電話機能も搭載、これらの機能により、高い音声品質、効率的に調整されたシステム実装、ならびに広範なOSサポートが可能となり、メーカー各社は、最新のVoIP機能を自社のMSBG製品に統合することが可能となる。
さらに、Green Hillsの仮想化技術「INTEGRITY Secure Virtualizationテクノロジ」は、種類の異なるOS上で動作する複数のビジネス/オフィス・アプリケーション・サービスおよび機能のシームレスな相互動作を可能にするもので、仮想化技術により、既存アプリケーションを新OSに移植することが不要になるため、種類の異なるSMB機能を1つのハードウェア・システムに集約するためのソフトウェア開発工数を削減することが可能となる。
なお、同ソリューションは、同社のODMパートナー企業およびソフトウェア・パートナー企業より販売される予定。QorIQ P1020は、すでに評価用および初期開発用に出荷が開始されており、これらを活用したMSBGソリューションは、ODM企業による生産が2011年第1四半期から開始される予定としている。