ジュニパーネットワークスは11月26日、コアルータの新製品「Juniper Networks T4000」を発表した。同製品はハーフラックサイズのシングル・シャーシながら、4Tbpsのパケット転送容量、1スロット当たり240 Gbpsのスループットを実現する。
マーケティング本部 サービスプロバイダーマーケティング マネージャーの佐宗大介氏は、同社がコアルータの開発に取り組む理由について、「今後ネットワーク・トラフィックの爆発的な増大が予想される。その結果、今までのようにデータセンターに対する投資と収支が比例して伸びるのではなく、投資が収益を上回る時代がやってくる。そこで、われわれは投資を抑えつつ収益を伸ばす策として、コスト削減とサービスのクオリティ向上を両立させることをビジョンとしている」と説明した。
同氏は同製品の特徴として「ハイパフォーマンスながらコンパクトなこと」をアピールした。同製品は4Tbpsのパケット転送容量と1スロット当たり240 Gbpsのスループットを実現するが、ハーフラックサイズのシングル・シャーシとなっている。加えて、システム当たりの容量は192個の10GbEポート、48個の40GbEポート、16個の100GbEポートとなっている。「ハーフラックで100Gbpsのワイヤスピードを実現するのは当社の製品だけ」と同氏。
新たなASICを開発したことで、T1600よりも消費電力の効率が3倍以上改善されているのも同製品のウリだ。
さらに、同製品はT1600と同じシャーシを利用しているため、組み合わせて利用することができる。また、一部のパーツを交換することで、システムを停止することなく、T640とT1600からT4000にアップグレードすることが可能だ。
その理由について、「電源モジュールが2個、スイッチ・インタフェース・ボードがシャーシ1台につき"N+1"個で動作しているから」と、同氏は説明した。
こうした「高いポート密度」、「省電力」、「容易なアップグレードによる投資の保護」は本来トレードオフの関係にあるが、「同製品ではすべて実現されている」と同氏。
同製品は2011年下半期に出荷が予定されている。