IPサイマルラジオ協議会は25日、株式会社radiko(ラジコ)を設立すると発表した。同協議会が提供しているIPサイマルラジオ放送「radiko.jp」は、12月1日付で設立される新会社が継承、運営する。新体制下で新たな放送局の取り込みやエリアの拡大などを図り、サービスを拡充していく。

新会社radikoの経営陣。写真中央が社長に就任する岩下宏氏

radiko.jpは地上波ラジオ放送と同時にインターネットストリーミング配信をするサービス。パソコンのほか、iPhoneなどのスマートフォン、iPad、iPod touchでも無料で聴取することができる。

同協議会では、高層ビルの増加によるラジオ放送の難聴取対策などを目的に、今年3月から関東・関西の一部地域を対象としてネット配信の実用化試験配信を開始。今後の本格配信に向けて12月1日に新会社を設立する運びとなった。

新体制では、12月1日からサービスエリアを拡大してラジオ放送を配信する。関東地区では1都3県(東京都/ 神奈川県/ 千葉県/ 埼玉県)に加え、茨城県/ 群馬県/ 栃木県、関西地区では2府2県(大阪府/ 京都府/ 兵庫県/ 奈良県)に加え、滋賀県/ 和歌山県が新たにサービス対象エリアとなる。

また、2011年3月までに、東京、大阪の周辺局および名古屋、福岡、北海道の各局にradiko.jpへの参画を募り、順次サービスを提供する。

新会社では、ラジオの新しい楽しみ方も提案。ネットと音声の融合を進める。例として、ラジオを聴きながら、楽曲のリクエストやアンケートの回答が可能な機能を付けたり、高校野球やプロ野球の選手データを閲覧できる機能などを構想。Twitterとの連携を視野に入れた新しいソーシャルメディアの構築も進める。そのほか、イベントと連動したサイトデザインの変更や関連情報の表示なども想定している。新たな広告商品の開発を進め、収益源の確保も進める。

新会社の資本金は9,000万円、資本準備金は9,000万円。株主の出資比率は、電通(17%)、TBSラジオ&コミュニケーションズ(8%)、文化放送(8%)、ニッポン放送(8%)、日経ラジオ社(8%)、エフエムインターウェーブ(8%)、 エフエム東京(8%)、J-WAVE(8%)、朝日放送(4.5%)、毎日放送(4.5%)、大阪放送(4.5%)、関西インターメディア(4.5%)、FM802(4.5%)、 エフエム大阪(4.5%)。社長には、電通のラジオ局次長岩下宏氏が就任する。