Freescale Semiconductorは、工業用RFパワー・トランジスタとして、50V LDMOSパワー・トランジスタ「MRFE6VP5600H/S」「MRFE6VP61K25H/S」と30V LDMOSパワー・トランジスタ「MRF8P29300H/S」の計3製品を発表した。MRFE6VP61K25H/Sはすでに量産が開始されており、残り2製品もすでにサンプル出荷を開始しており、3カ月以内に量産を開始する予定としている。
50V LDMOSパワー・トランジスタ2種は、高い破壊耐性を実現しており、プラズマ発生器やCO2レーザー、MRIパワーアンプなどのインピーダンス不整合アプリケーションの過酷な条件をサポートすることが可能。一方の30V LDMOSパワー・トランジスタは、航空交通管制(ATC)やパルスSバンド・アプリケーションに対応するほか、通信アプリケーションにも使用することが可能だ。
MRFE6VP5600H/SおよびMRFE6VP61K25H/Sは、過酷なアプリケーションにおいてそれぞれ600Wおよび1250Wの出力レベルを実現し、複数の位相角で65:1のVSWRを処理することが可能だ。また、優れた破壊耐性により、従来必要とされた外部回路が不要になるため、性能を高めかつ、全体的なシステム・コストを抑えることが可能となっている。
また、MRF8P29300H/Sにより、同社のATCおよび通信アプリケーション向けLDMOSパワー・トランジスタは、10MHz~3500MHzの周波数帯域、10W~1000WのピークRF出力レベルをカバーするポートフォリオへと拡充されることとなる。同製品は、2700MHz~2900MHzの周波数範囲を320WのパルスRF出力で実現するもので、13.3dBのパワー・ゲイン、50.5%のドレイン効率を備え、システム全体の簡素化とコスト削減を実現することが可能となっている。