Oracle Solaris Operating System - Increase Business Efficiency, Lower Costs

Solarisの最新評価版となるSolaris 11 Expressが公開された。Solarisが提供するストレージ機能ZFSや仮想化機能Solaris コンテナやSolaris Zoneを活用したい場合、Solaris 11 Expressがその評価版ということになる。大規模ストレージ、既存のSolarisサーバの統合、ほかのサーバシステムも含めた統合などを実現したい場合には、まずSolaris 11 Expressで実験することになる。

OpenSolarisの後継となるOpenIndianaがUbuntuやFedoraのようなディストリビューションに近いのと比べ、Solaris 11 ExpressはFreeBSDに近い。インストールした直後はCUI環境しか提供していない。インストールもテキストベースだ。項目を選択したり必要事項を入力したらF2を押して次に進むというスタイルになっている。

インストール直後のSolaris 11 Express。ZFSの活用、デフォルトシェルがbashなどを確認できる。

ZFSプールのバージョンは31、ZFSファイルシステムのバージョンは5だ。最新のZFSを試すことができる。

Solaris 11 Expressで最大の注目ポイントは、最新のZFS (ZFSプールバージョン31、ZFSファイルシステムバージョン5)が利用できる点と、仮想化技術Solaris コンテナ/Solaris Zoneを利用できる点にある。Solaris ZoneはFreeBSD Jail+VImageのように空間の切り分けと仮想ネットワークを提供するもの。SolarisコンテナはZoneにリソース制御を加えたもの。管理用ツールも充実しており、すぐに仮想環境を構築できるという特徴がある。

Solaris Zoneを作成中。まずZFSで専用の領域を確保し、そこに対してzonecfg、zoneadm、zloginを使ってゾーンを構築していく。

作成されたゾーン。ここでは3つの非グローバルゾーンを作成して実行している。

作成したゾーンはそれぞれ独立して動作する。コンソールからゾーンへログインすることも、ssh経由で外部からログインして利用することもできる。

作成したゾーンのひとつにzloginで入り込んだところ。グローバルゾーンから空間が分離していることを確認できる。

FreeBSDからssh経由でSolaris 11 Express内部のゾーンのひとつにログインしたところ。

Solaris Zoneはzonecfg、zoneadm、zloginなどを使って簡単に作成し、管理できる。Jailであればezjailを使って環境を構築する方法に似ている。より統合されたツールで、手軽に仮想環境を構築し管理できるという便利さがある。

Solarisの提供する最新のZFSはストレージとしてもシステム管理機能としても魅力的だ。一度ZFSを使ったシステムを構築した管理者であれば、その魅力は十分に知っているはずだ。Solaris 11 Expressはそうした機能を手軽に試すことができ、評価対象として意味がある。

Solaris 11 Expressの登場は、これまでSPARCでSolarisやOpenSolarisを使ってきたユーザや管理者にとっても朗報だ。SPARCの性能を活用する最新のOSの評価版として役に立つ。