Freescale Semiconductorは、産業機器やデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)、ストレージ製品などのアプリケーション向けに、新しいQorIQプロセッサ「P1010」を発表した。

同製品は、コスト重視のエンドポイント・アプリケーションをターゲットとするプロセッサで、最大800MHzの性能を発揮しつつ、動作電力を1.1Wに抑えています。トラスト・アーキテクチャ・プラットフォームを搭載し、先進的なエンドツーエンドのコードサイニングおよび侵入防止機能により、ソフトウェアの侵入(改ざん)やクローニングを防止することが可能だ。

また、複数のFlexCANコントローラを統合しているため、機器メーカー各社はFA機器や産業機器で利用されているCANプロトコルを実装することが可能なほか、SD/MMCコントローラ、2つのPCI Expressコントローラ、2つのSATAコントローラ、ならびに3つのEthernetコントローラを搭載しているため、NASやDVR製品に求められる性能レベルと市場要件にも適合することが可能だ。

さらに、幅広い周辺機能を統合しているため、全体的なシステム・コストを削減することも可能だ。デバイスは0.8mmピッチの小型(19mm×19mm)425ピンPBGAパッケージで提供されるため、レイヤ数を抑えたコンパクトなボード設計が可能で、全体的なフットプリントを小さくできることに加え、電力消費が小さいため、ファンレス設計が可能となっている。加えて、EthernetコントローラのSGMIIサポートにより、ボード・サイズを抑えられ、16ビット/32ビットDDR3メモリ・コントローラにより、低コストのメモリ設計を可能とする。

このほか、同社はセキュア・ブートやFlexCANコントローラが必要とされないアプリケーション向けにP1010を低コスト化したQorIQプロセッサ「P1014」も提供する。P1014は、16ビットDDR3メモリ・コントローラを搭載しており、シングルおよびデュアルベイのNAS、DVR、ならびに汎用制御アプリケーションにおいて、高い費用対効果を実現することができる。

なお、P1010およびP1014は、同社の長期製品供給プログラム(Product Longevity Program)の対象となっており、最低10年間の供給体制が保証されている。いずれも、2011年第1四半期に一般向けのサンプル出荷を、2011年第4四半期に量産をそれぞれ開始する予定としている。