ルネサス エレクトロニクスは11月22日、インドなど新興市場を中心とした海外市場向けの半導体事業拡大を目指し、2011年11月10日にオーストラリアのメルボルンにも営業支店を新設したほか、2011年1月にインドのバンガロールに営業支店を新設することを発表した。

インドでは、急激な人口増加に伴い、白物家電をはじめとする電子機器や自動車の普及・拡大が続き、家電や自動車などの地元企業の成長が見込まれており、こうした旺盛な国内需要を背景に、インドの半導体市場は15%前後の成長が予測されている。また、インドは、IT・ソフトウェアの世界的な拠点として、グローバル規模のIT企業や自動車メーカーの設計開発拠点の開設が続いている。

ルネサスは現在、インドのバンガロールに駐在員事務所を有しているが、今後の市場拡大を見据え、インドの顧客に密着してよりきめ細かい活動を行える営業支店を設置するのが必須と判断。インド支店は、東南アジア、南アジア、オセアニアの販売・マーケティングを管轄するルネサスの100%子会社、ルネサス エレクトロニクス シンガポールの営業支店となり、白物家電や自動車向けマイコンを中心に、インド市場の販売・マーケティング、技術サポートを行うほか、インド市場での顧客ニーズを掘り起こし、インド市場向け半導体ソリューションを提供していく予定。

また、営業支店新設による販売・マーケティング、技術サポート体制強化により、インド市場年平均成長率を上回る、20%以上の成長を続け事業を拡大する計画としている。

また、同様にこれまで駐在員事務所であったオーストラリアの営業拠点も、オーストラリア市場への対応を強化するために、新たに営業支店として運営を開始し、自動車向けマイコンを中心に拡販を行っていく計画としている。

なお、同社では新興国を中心とした海外市場に向けた販売を強化しており、現在の海外売上比率50%を2012年度には60%に引き上げる計画としている。