Linux Foundationがアイルランド・ダブリンで開催した初の「MeeGo Conference 2010」では、MeeGo開発に携わる米Intel、フィンランドNokiaのスタッフはもちろん、MeeGoの将来に賭けるシステムインテグレータやアプリケーション開発者が多数参加した。Linux Foundationによると、参加者は約1,000人。会場は熱気に包まれていたが、さて、MeeGoは本当に成功するのだろうか? 会場でブースを構えていた企業や参加者の声を拾ってみた。
10月にリリースされた「MeeGo 1.1」をベースに「Qt QML」を使って作成したユーザーエクスペリエンス"QML Stealrat"(仮名称)を4種類のプラットフォームで動かしていたのは、フィンランドのシステムインテグレータ NOMOVOKだ。QMLはC++を利用することなくUIが作成できる宣言的UI技術で、MeeGoとの相性も抜群。あっという間にUIを作成できたとのことだ。
NOMOVOKはODMを顧客に持つが、すでに数社とMeeGoを利用した商用製品について話が進んでいるという。MeeGoとQMLの強みは「UIデザインが簡単で開発作業におけるコラボレーションが簡単なこと」と担当者。多数用意されているLinuxのコンポーネントをすぐに利用できるのも魅力という。「MeeGoの将来を確信している」と担当者は語ったが、ベンダの反応については、「関心は高いが、成熟度を心配している」と実情を明かしてくれた。
Accentureは米Texas Instrumentsの「OMAP 35x」プラットフォーム上でMeeGo 1.0を動かしていた。Nokiaが参加していることから、スマートフォン分野では離陸が難しいかもしれないとやや厳しいコメントだった。
「IVI UX 1.1」と人気のQML、それにC++を使って試作したIVIシステムを展示していたのは、Qt専門開発会社の米ICSだ。複雑そうにみえるが、10月にドイツ・ミュンヘンで開催された「Qt Developer Days 2010」の後、わずか2週間で作成したという。
NokiaのQtは、「Qt Quick」ベースで作成したフォトビューアアプリケーションをPC(Embedded Linux)、「Nokia E7」「Lenovo ideapad」「ASUS Eee PC」の4つの端末上で動かしていた。「アプリを1度書くだけで、どこでも動く」と担当者は胸を張る。