Freescale Semiconductorは、自動車レーダー・システムでの利用を目的とした77GHz SiGe統合チップセットを開発したことを発表した。長距離および中距離用の各種機能により、自動車の周辺環境を監視して衝突を回避する車載システムが実現できるようになると同社では説明している。
同製品は、同社の「Xtrinsicセンサ」をベースとしたレーダー・チップセットで、長距離レーダー向け0.18μm BiCMOSプロセスを用いたSiGe技術を採用しており、トランスミッタ、マルチチャネル・レシーバ、フェーズ・ロック・ループ(PLL)を統合している。
シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)コマンドを使って、長距離用と短距離用の機能を切り替えることが可能であり、これにより、同じレーダー・モジュールを、車間距離制御(ACC)や車間距離警報、衝突警報、衝突緩和など、さまざまな安全システムで利用することが可能となる。長距離レーダーは、車体の前方と後方に限定された細長い領域を対象としており、車間距離制御や車線逸脱警報で利用される。一方、短距離レーダーは、車体のすぐ近くを幅広く監視するもので、死角検知やプリクラッシュ機能、ストップアンドゴー・アプリケーションなどに適している。
また、同技術は、自動車安全システムのほか、航空宇宙や軍事、産業用の各市場でも活用が可能だ。
なお、同チップセットは、すでに一部の大手車載製品サプライヤ向けにサンプル出荷が開始されており、2012年までに量産を開始する予定としている。