11月9日、10日の2日間、東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京において、VMwareの最新技術を紹介する技術イベント「vForum 2010」が開催された。同会場のIBMブースに、仮想化向けに最適化されたラックマウント型サーバやネットワークスイッチが展示されていたので、簡単に紹介しよう。
とにかくメモリをたくさん搭載できるサーバ
本誌でこれまで何度か取り上げてきた第5世代エンタープライズX-アーキテクチャ「eX5」。同技術を搭載したフラッグシップモデルと言えるサーバが「IBM System x3850 X5」である。vForumのIBMブースではそのIBM System x3850 X5が展示されていた。
IBM System x3850 X5の特徴は、なんと言ってもメモリを大量に搭載できる点。64のDIMMスロットを搭載し、最大1TB(16GB×64)まで拡張可能。「1TBも必要ない」という場合でも、安価な低容量のメモリをたくさん挿すことができるため、少ないDIMMスロットに大容量のメモリを挿さなければいけないサーバよりもコストを抑えられるというメリットがある。
また、CPU数はそのままにメモリだけを拡張できる特殊ユニット「MAX5」を利用すると最大メモリ容量は1.5TBになる。さらに、IBM System x3850 X5×2台+MAX5×2台という構成をとることもでき、この場合は最大3TBまでメモリ容量を拡張することができる。
日本アイ・ビー・エム システムx事業部 事業開発部長の東根作成英氏は、「現代のサーバでボトルネックになるのは、CPUではなくメモリ。メモリ不足が発生しているためにCPUの能力を使いきれていないという事実がある。IBM System x3850 X5をはじめとするeX5搭載サーバではその制約を取り払い、CPUの能力をフルに活用することができる。このことは、性能面はもちろんだが、ソフトウェアライセンスがCPU単位で課金されることを考えると、コスト面でも大きなメリットを享受できることになる」と説明した。
VMotionに設定が自動追随するスイッチ
もう1つ、IBMブースで大きな存在感を示していたのが、ブレード・ネットワーク・テクノロジーズの1ギガビット/10ギガビット集合スイッチ「G8000」である。実はこの製品、米IBMが今年9月27日買収を発表した米BLADE Network Technologiesの製品になる。
仮想化向け機能として目を引くのは、「VMotion」など、物理サーバ間での仮想マシン移行機能が実行された際に、対応する物理ポートを認識し、VALNやセキュリティの設定なども自動で移すことができる機能である。
「VMware vSphere上でこれができるのは2社だけ。さらに、このスイッチは、VMwareのみならず、Hyper-Vをはじめとする他の仮想化プラットフォームでも同じことができるのだが、VMware以外で対応しているのはBLADE Network Technologiesのみになる」(東根作氏)
なお、BLADE Network Technologiesは2002年からIBMと提携関係にあり、技術面の親和性については不安はないという。また、同社は、HPやNECサーバ向けの製品も提供している。