日本アイ・ビー・エム リサーチ部門のアクセシビリティー・リサーチ&テクノロジー担当最高技術責任者 浅川智恵子氏 |
女性エンジニア協会(SWE:The Society of Women Engineers)は11月9日(現地時間)、日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)の浅川智恵子氏に2010年度のSWEアチーブメント賞(SWE Achievement Award)を授与すると発表した。
受賞理由は、視覚障がい者のテクノロジー活用方法に関する従来の考え方に一石を投じ、先駆的なウェブ・アクセシビリティの研究と技術の進歩へ貢献したというもの。
Achievement Awardは、SWEが授与している賞の中でも最も名誉ある賞で、生涯功績や技術分野での持続的貢献を評価して受賞者を決定する。
14歳の時に視力を失った同氏は25年前に同社に入社して以来、アクセシビリティの研究に従事してきた。1980年代には世界初の点字翻訳システムの開発に携わり、1997年には音声ブラウザ「ホームページ・リーダー」を開発し、視覚障がい者がWebを利用することを実現した。
現在はリサーチ部門のアクセシビリティー・リサーチ&テクノロジー担当最高技術責任者(CTO)として、世界中のIBMのアクセシビリティー・リサーチチームに技術的なアドバイスを行っているほか、障がい者や高齢者など特別な支援を必要とする人々を対象としたITアクセシビリティ分野の国際的な啓蒙活動も行っている。
同氏は昨年、日本人女性として初めて、同社の歴史において218名しか任命されていない技術者の最高職位「IBMフェロー」に就いたことでも有名。