MySQL

Oracleは1日付けでMySQLの新しいグローバルプライスガイドを公開した。Sun Microsystemsのもとで提供してきた年間599米ドルからはじめられるもっとも低価格なベーシックエディションが廃止され、もっとも廉価なエディションが年間2,000米ドルのスタンダード(1-4ソケットサーバ)となった。この価格変更に関してOracleから説明が公開された。説明をまとめると次のとおり。

  • MySQLは従来どおり、デュアルライセンスのもとでの提供を継続。無料で利用できるコミュニティエディションは従来どおりGPLのもとで提供される。InnoDBエンジンも搭載される。
  • 商用エディションのライセンスは従来よりもシンプル化。エンドユーザ向けのエディションをスタンダートとエンタープライズの2つに集約。より多くの特典を追加し、従来の同様のサポートよりも廉価になっている。
  • 購入モデルは従来どおり、1年間のサブスクリプションモデル。ソフトウェア、サポート、アップデート、メンテナンスが含まれる。
  • 購入モデルのライセンス単位も従来どおり、サーバ単位での提供を継続。
  • スタンダートエディションには年中無休回数制限のないサポートを提供するほか、MySQL Workbenchスタンダードエディションを追加。
  • エンタープライズエディションにはさらにMySQLエンタープライズモニタとMySQLエンタープライズバックアップを追加。

こうした説明をするとともに、新しいライセンスモデルには次のような特典があることを説明している。

  • 599米ドルで提供されていたベーシックエディションはパッチへのアクセス、アップデートへのアクセス、年2回の電子メールでのサポートといったサポートのみを提供しており、人気のあるオプションではなかった。
  • これまで提供してきたサポートは営業時間内に限られたしかも回数制限付きのものだが、新しいエディションではスタンダードであっても年中無休の回数制限なしのサポートがうけられる。
  • 従来のライセンスモデルで年中無休回数制限なしのサポートを得ようとすれば3,000米ドルよりも高いエディションを選択する必要がある。新しいモデルではさらに多くの機能を提供しつつも、価格を2,000米ドルへ抑えている。

ブログを通じてライセンスモデルの説明をした背景には、人気の低いエディションを廃止するとともに、より手厚いサポートを従来のモデルよりも廉価に提供していることを説明し、ライセンスモデルの値上げを実施したという雰囲気を払拭する狙いがある。