NECは11月11日・12日の2日間にわたり、年次プライベートカンファレンス「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2010」を開催する。同カンファレンスに先立ち、プレス向けに内覧会が行われた。ここでは、10日に発表されたAndroid搭載タブレット端末「LifeTouch」など、展示会場の見所を紹介しよう。
いちばんの目玉は「LifeTouch」
まず、初めに行われたのは、Android搭載タブレット端末「LifeTouch」のお披露目だった。ステージには支配人兼パーソナルソリューション事業開発本部 西大和男氏が登壇し、同製品の紹介を行った。
同氏は、LifeTouchが「携帯電話とPCの中間に位置するデバイス」だとして、両者の長所を備えることで新たな価値を創造していくものと説明した。「1年前にこの場でLifeTouchのプロトタイプを披露したが、まだタブレット端末を利用するにはハードルが高かった。しかし、スマートフォン市場が花咲いた今、やっとタイミングが整った」
「タブレット端末」「Android搭載」など、人々の注目を引く特徴を備える同製品だが、最大のポイントは、ターゲットをコンシューマーではなくサービスベンダーに定め、そのベンダーが新たなサービスを提供することを想定としていることにあるという。
同社は同製品に対し「クラウドコミュニケーター」という製品カテゴリーを定義している。同氏は「クラウドコンピューティングでは端末のあり方も変わっていく。サービスに特化した端末という意味を込め、クラウドコミュニケーターという名称を付けた」と、同社のこだわりを披露した。また、「LifeTouch」という名称には、「タブレット端末に慣れていないお年寄りや子どもにも使ってもらって生活を変えてもらいたい」という意味があるという。
こうしたことから、同製品のデザインは"斬新さ"ではなく、"使いやすさ"にフォーカスが絞られている。例えば、キータッチに慣れていない人を想定して、あえてペンでの操作に対応している。同製品は展示会場のさまざまなブースで活用されているので、見かけたら触ってみてはいかがだろう。
EV向け充電システムにウェアラブルコンピュータも展示
11月8日に発表された電気自動車向けの急速充電器とクラウドサービスを統合したクラウド型充電システムも展示されていた。
急速充電器はFeliCaマルチサービスリーダライタシステムを搭載しており、さまざまな電子マネーによる決済に対応している。急速充電器の操作は遠隔から行える。
また、ウェアラブルコンピュータを活用したシステムの展示も行われていた。同社はブラザー工業の眼鏡型網膜走査ディスプレイとウェアラブルコンピュータを組み合わせた端末や管理サーバなどで構成される「Tele Scouter」を提供している。
同社は筑波大学大学院と連携して、Tele Scouterを活用した救命救急ソリューションを開発している。同ソリューションはAEDにウェアラブルコンピュータを置いておくことで、救命の現場に居合わせた人に適切な指示を送りつつ、救急医療機関とのやり取りも実現するというもの。
そのほか、ヤマト運輸で用いられている、ドライバーの安全を守り環境に優しい運転を支援する「See-T Navi」、植物工場などで利用される農業ICTソリューションなど、広い会場に所狭しと100以上のブースが並んでいた。まだ製品化されていない技術もたくさん展示されているので 、会場内をぶらぶらと歩いているだけでも楽しめるだろう。