FPDに関する国際総合展示会である「FPD International 2010」が11月10日(水)~12日(金)の3日間、「Green Device 2010」との併催で、千葉の幕張メッセにおいて開催されている。

今年は幕張メッセでの開催となったFPD International

会場全景

例年は横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で開催されるが、今年は横浜みなとみらいでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開催されている関係から、幕張メッセに会場を移しての開催となっている。同時開催のGreen Deviceでは、APECに関連付けて、「APEC GREEN Showcase」としてAPEC各地域の環境・エネルギーを紹介する展示が見られた他、初日を「APEC Day」として環境面に配慮した持続的成長についてのビジネスイベントが企画された。

FPD Internationalでは、「3Dディスプレイ」「タッチパネル」「電子パーパー」を3大アプリケーションとして、多くの展示品が見受けられた。特に3Dと電子パーパーについては、主催者企画の専用コーナーとして、「3Dディスプレイ2010」と「電子ペーパー2010」を設け、集中展示が行われた。

以下では、そうした次世代を意識した出展製品を紹介したい。

3大アプリでは高機能化が進む

韓国Samsung Electronicsは、70型3D LCD TVを展示した。酸化物半導体により、高解像度化と高速駆動を実現し、解像度はUD(Ultra Definition:3840×2160画素)、240Hzで駆動する。輝度は500cd/m2、コントラスト比は10万:1、応答速度は4ms以下となっている。S-PVAモードによる時間分割方式で3D表示を実現できるため、視野角は180°を実現している。

Samsung Electronicsの70型3D液晶テレビ

台湾AU Optronics(AUO)は、32型タッチパネルを出展した。カラータッチ光学ペン機能を内蔵し、電子ホワイトボード向けを想定している。赤、緑、青の光学ペンが混色することで7種類の色変化を実現する他、数本のペンによる同時書き込みも可能となっている。

AUOの32型タッチパネル

ブリヂストンは、新ブランド「AeroBee」の電子ペーパーモジュールを出展した。

ブリヂストンは台湾Delta Electronicsと次世代電子ペーパーデバイスの共同開発を発表しており、ブリヂストンの電子ペーパー技術「QR-LPD」とDeltaのIT技術とのシナジー効果により、新ブランドで電子ペーパー事業を推進していく方針。AeroBeeの名称は、電子粉流体が蜂のように高速移動(画像切替)できることに由来する。0.2msの応答速度を実現している。ラインアップはモノクロ表示品がA7~A3サイズの5品種、カラー表示品が8インチ~A3サイズの3品種。

ブリヂストンの電子ペーパー「AeroBee」

富士通フロンテックは、カラー電子ペーパー搭載情報端末「FLEPia Lite」を出展した。Dynamic Driving Scheme(DDS)により、状態決定のスイッチングパルスを短時間与えた後に複数ラインをまとめて変化させ、高速表示切替が可能となっている。8型XGA表示の端末において0.7秒での書替が可能。 また、同製品の新たなアプリケーションとして、電子経典端末の使用例を紹介した。約2万ページの経典を収容し、手軽に持ち運び可能という。

富士通フロンテックの電子ペーパー端末「FLEPia Lite」