Cognexの日本法人であるコグネックスは、革新的なアライメント性能を実現するアライメントシステム「In-Sight AlignPlus(アラインプラス)」を発表した。
LCDや有機EL(OLED)などのフラットパネル(FPD)や太陽光発電パネル、2次電池およびスマートフォンなどの生産技術の高性能化、高機能化といったニーズに合わせる形でそれぞれの製造プロセスもさらなる微細化、高速化、および高精度化が求められるようになっている。特に、こうした高性能化する先端製品を大量に高品質で安定して製造するためのコアとなる技術がアライメント(位置決め重ね合わせ)で、その精度と処理能力の向上を図ることは生産性向上に結びつくこととなる。
同システムは、専用のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を搭載した同社の画像処理システム「In-Sight」上で動作するアライメントに特化したアプリケーションソフトウェア。画像処理を用いることで高い位置検出精度を実現する「PatMaxテクノロジ」をベースに、新たに開発したステージ制御アルゴリズムを組み合わせることで、従来以上のアライメント精度を容易に実現することが可能となった。
同システムを用いることで、広範な視野からでも、高精度なアライメントを標準解像度カメラで実現することが可能となるため、粗位置決め工程を不要とするなど、低コストかつ生産性の向上が可能となる。
また、機械のバックラッシ、ヒステリシス、熱膨張、偏荷重やうねりなど、装置の構造に由来するさまざまな個々の装置固有の機差をオートチューニングで学習するため、長時間を要するような高精度装置の精度追い込み作業を数秒に短縮できるほか、毎日のメンテナンス作業として実行することで、常時安定した高精度を実現することができるようになる。加えて、カメラの設置位置やカメラ間距離、ワークサイズ、ターゲットマークサイズなどのパラメータ設定も不要のため、複雑で高度なオペレータ教育が不要となっている。
さらに、すべての演算はそれぞれのカメラのプロセッサで分散処理するため、システム全体を高速にすることに成功しており、よりシンプルな生産プロセス、柔軟な装置設計が可能となると同社では説明している。
なお、同システムはライセンス料なしで使用可能な「In-Sight AlignPlus ベーシックライセンス」、ベーシックバージョンと比較して2倍の精度を実現する「In-Sight AlignPlus 標準精度オプションライセンス」、ベーシックバージョンと比較して4倍の精度を実現する「In-Sight AlignPlus 高精度オプションライセンス」の3種類を用意。価格は、標準精度以上のオプションライセンスが181,500円(1ライセンス)~となっているが、前提として2台のIn-Sight Micro 1400 ハードウェア(PatMax付きの本体)とケーブル、照明などを別途購入する必要があり、1カメラにつき、1ライセンスが必要となっている。