日本アイビーエム ソフトウェア事業 ビジネス・アナリティクス事業部長 国本明善氏

日本アイ・ビー・エムは11月10日、ビジネス分析のためのソフトウェアの最新版「IBM Cognos Business Intelligence V10.1」を発表した。同製品の特徴は、過去・現在・将来を対象に複数の分析機能を横断的に利用できることだ。

ソフトウェア事業 ビジネス・アナリティクス事業部長の国本明善氏は、「ビジネス・アナリティクス事業部は今年10月に発足した」として、あらためて同社にとってビジネスアナリティクスが重点を置いている分野であることをアピールした。

同製品は、同社が「ビジネス・アナリティクス」を構成する要素として定義している「ビジネスインテリジェンス」、「予測分析、高度なアナリティクス」、「財務パフォーマンスマネジメント、戦略管理」をカバーする。

IBMが提唱するビジネスアナリティクスのフレームワーク

同氏は同製品の特徴について、「統一されたワークスペースで、分析を分断していたものから解放する。加えて、ビジネスインテリジェンスでは過去のデータの分析のみ行っていたのに対し、過去・現在・将来にわたり各種分析機能を相互連携しながら分析が行える」と説明した。

これまでビジネス分析を行う際、分析ごとに個別のツールを用いる必要があったが、統合ワークスぺース「IBM Cognos Business Insight」を用いれば、複数の分析機能を横断的に実行できる。

Cognos 10の操作画面

Cognos 10の主な機能

CognosはこれまでモバイルデバイスとしてBlackBerryやWindows Mobileに対応していたが、今回よりiPhoneやiPadのサポートも始まった。社外での機能の強化としては、モバイルデバイスの対応機種の拡張のほか、オフライン環境でもインタラクティブなレポート作成機能が使えるようになったことがある。

説明会では、iPadでCognos 10を利用する様子が披露された

そのほか、キャッシュ技術の採用とクエリーエンジンの改善により、旧版のCognos 8より、クエリーの実行時間が約3倍向上している。

同製品のクライアントライセンスは、管理者向け、詳細な分析を行うユーザー向け、閲覧を中心に行うユーザー向けの3種類となっている。参考価格は閲覧を中心に行うユーザーのライセンス「ビジネス・ユーザー」100人の利用で、1852万5,000円。また、モバイルデバイスを利用する場合は別途サーバモジュールを購入する必要がある。