東京エレクトロン(TEL)とセイコーエプソンは11月11日、有機ELディスプレイ(OLED)製造技術の共同開発契約を締結したことを発表した。

有機ELディスプレイの製造においては、ガラス基板上に有機材料を均一に成膜する工程が不可欠で、現在は、真空中でマスクを用いてガラス基板上に薄膜を形成する「マスク蒸着方式」が一般的な方式だ。しかし、今後の有機ELディスプレイの量産に向けては、生産性改善など課題も多く、それらを解決できる次世代の成膜技術として「インクジェット方式」を組み込んだ製造技術の実現が求められている。

セイコーエプソンは、これまでにも「インクジェット方式による有機材料の均一成膜技術」の確立など、有機EL向けインクジェット技術の開発を行ってきたほか、液晶テレビ用カラーフィルタの大型塗布装置の開発・販売なども行ってきており、産業用インクジェット技術に関するノウハウも有している。

一方、東京エレクトロンは、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置事業において、小型から大型基板サイズまで幅広いドライエッチング装置やコータ/デベロッパなどの製品を開発・販売しており、今回の共同開発により、エプソンのインクジェットを用いた有機ELディスプレイ製造技術と、東京エレクトロンの装置技術を融合させることが可能となる。

なお今後、両社は、次世代の有機ELディスプレイ製造技術をトータルパッケージとして提案できるよう共同開発を進めていく計画としている。