Analog Devices(ADI)は、高集積かつ高精度を実現したMEMS慣性測定ユニット(IMU)「ADIS16334」および「ADIS16375」を発表した。これらの製品を用いることで、産業用および医用機器メーカーは、従来以上に容易にモーションキャプチャやコントロール機能を実装できるようになると同社では説明している。
2製品は、(角速度の)ダイナミックレンジが±300°/秒の3軸ジャイロスコープ、および(加速度のダイナミックレンジが)±18g(ADIS16375)または±5g(ADIS16334)の3軸加速度センサを内蔵した、慣性システム。各集積センサは、同社のiMEMS技術と、ダイナミック性能を最適化するシグナルコンディショニング機能を組合せている。また、各センサは、工場のキャリブレーションで、感度、バイアス、アラインメント、温度、およびリニア加速度安定性について最適化されており、このため、それ自身でダイナミック補償式を備えることとなるため、温度範囲-40℃から+105℃にわたり高い精度でセンサ測定を行うことが可能となっている。
2製品ともに、ジャイロバイアス安定性は12°/時間、加速度センサバイアス安定性は0.13mgで、センサ安定性では性能面で従来品比2倍の改善を実現、さらにシステムのカルマンフィルタリングの簡素化と精度を改善することが可能だ。また、全330Hzの帯域幅と2,460SPSにより、全体的なシステム応答の改善が可能。
加えて、連続的なバイアス推定、ユーザ選択可能なデシメーションフィルタ、ユーザコンフィギュレーション可能なFIRフィルタバンク、さらに角速度と加速度変化量の出力機能が従来に比べ集積化されていることから、システム設計の簡素化が可能になり、導入時間の短縮を図ることが可能だ。
さらに、ADIS16334は従来の同社のiSensorデバイスに比べ40%の小型化に成功したIMUで、高さも11mmを実現。これにより、設計者は実装面でフレキシビリティ性能を向上させ、より広いアプリケーションスペースに対応させることが可能となった。
なお、ADIS16375はすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は649ドル、一方のADIS16334はサンプル出荷を開始しており、こちらの1000個受注時単価は336ドルとなっている。