Freescale Semiconductorは、車載アプリケーション向けに新たに設計した次世代32ビット・マイクロコントローラ「Qorivva(コリーヴァ)」ファミリを発表した。
同ファミリは、Power Architectureテクノロジをベースに、独自の55nm不揮発性メモリ(NVM)プロセスを活用することで、電力効率と費用対効果を従来Power Architectureベースマイコンに比べ向上させている。
Qorivvaマイクロコントローラは、柔軟なタイマやモータ制御システムなど設定可能なペリフェラル・セットをはじめとして、最先端の統合性と処理能力を備えています。また、デジタル信号処理機能も追加されています。これら各種機能が拡張されたQorivvaマイクロコントローラを採用することで、システム開発者はさまざまなアプリケーションにおいて、理想的なソリューションを柔軟に構築することができます。
同ファミリは、処理速度の向上による従来以上の高度な制御アルゴリズムと機能を実現しているほか、オンチップ・メモリ(FlashおよびRAM)の向上により、オフチップ・メモリの必要性を低減することに成功。また、トランスミッション・ソレノイドや燃料噴射、電気モータなど高度な制御システムを実現するインテリジェントなペリフェラル・セットを搭載しており、マイクロプロセッサ・コアのオーバヘッドを最小化することが可能。
さらに、組み込みセンサ・インタフェースの改善により、シンプルな次世代車載センサ接続を実現できるほか、高速A/Dコンバータの搭載により、最新インタフェースのさまざまなニーズに対応することが可能となっている。
これらの技術を搭載したことで、さまざまな車載アプリケーションに対応可能な幅広いソリューションを用意。ボディおよびセキュリティ・ファミリでは、「常時オン」のシステム向けの低消費電力性能、包括的な接続オプション(LIN、CAN、MOST、FlexRayおよびEthernet)の車載ネットワーク、ならびに車載ネットワーク・セキュリティに対応する暗号化機能を搭載している。
セーフティおよびシャーシ・ファミリにおいては、障害監視やイベント記録、訂正システムを備えたマルチコア・セーフティ・アーキテクチャを採用。これにより、最高レベルの安全機能を実現し、将来の完全自律型自動車に必要とされる次世代フォルト・トレラント・システムを構築することが可能となっている。
パワートレインおよびハイブリッド・ファミリでは、高性能マルチコア・マイコンにより、高い処理性能を実現し、ハイブリッド自動車向けのモータ制御ペリフェラルや、高精度アナログ・インタフェース、アナログ・センサ対応のデジタル通信リンクを備えている。また、次世代パワートレイン・システムの要件を満たすため、同社のセーフティ・アーキテクチャも採用している。
なお、Qorivvaの各種ファミリは、2012年初頭の出荷開始が予定されている。