インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は11月9日、インフォテリアとクラウド分野で協業することを発表した。これに基づきIIJはインフォテリアのモバイル端末向けコンテンツ配信ツール「Handbook」を、大規模環境をターゲットとして12月より提供開始する。
HandbookはiPadやiPhone、Androidといったモバイル端末向けのコンテンツを、専門知識がなくても手軽に作成・配信可能にするサービス。
すでにインフォテリアは独自に中小規模環境をターゲットに同サービスのSaaS提供を開始しているが、IIJとの協業によって企業で求められるセキュリティ面での要件などを確保。エンタープライズ領域におけるHandbookの普及を狙う。
IIJはHandbookを「IIJ GIO(ジオ)スマートモバイルソリューション」(9月30日に発表済み)のメニューとして追加。端末管理サービス「Smart Mobile Manager」によって、iPadなどのデバイスが盗難・紛失に遭った際に遠隔操作でデータを消去することも可能となる(2011年1月に端末側のエージェントソフトを無償提供予定)。
IIJによるHandbokのSaaSサービスは、1社あたり月額10万円(ディスク容量2GBまで)~。ユーザー数の制限は特になく、最大でディスク容量500GB(月額26万円)までのプランが用意される(初期費用15万円が別途必要)。
なお、同サービスはオプションによってVPN環境を構築することも可能となっている。
記者説明会でIIJ 執行役員 マーケティング本部長 松本光吉氏は、「社内ではすでにGIO上でHandbookの運用を開始し、100台以上のiPadを使って営業活動を展開している」ほか、「イベント会場などでのアンケートシステムとしても利用している」といった実績を紹介。有用であることを実証した上で各種体制を構築し、12月からサービス提供を開始するとした。
また、インフォテリアの平野社長は今回の協業について「IIJに(Handbookが)認められた=企業のリクエストをクリアしたことに意味がある」と語り、「ダウンロード型のソフトウェア提供だけでは企業ニーズを満たすことができない」としてSaaS型による同サービスの今後の展開について期待感を示した。