弥生 代表取締役社長 岡本浩一郎氏

弥生は11月9日、業務パッケージソフト「弥生シリーズ」の最新版「弥生 11 シリーズ」を12月3日に一斉発売することを発表した。ラインナップは「弥生会計 11」「弥生販売 11」「弥生給与 11」「やよいの青色申告 11」「やよいの給与計算 11」の5パッケージ。同社代表取締役社長 岡本浩一郎氏は「弥生の従来からのコンセプトである"かんたん・やさしい"をより追求し、さらにユーザの方々の知識を集約/共有し、ソーシャル化を進めた。10年度のテーマであった"愚直な実践"に引き続き取り組みながら、11年度はお客様と"共有・共生・共創"を図ってくことを目指したい」と語る。

弥生11シリーズのコンセプトは

  • ソーシャル化
  • より「かんたん・やさしい」
  • 法令改正対応
  • サポートのバリエーション化

の4つ。とくに目玉となるのはソーシャル化で、これは従来から弥生会計ややよいの青色申告に搭載されていた「仕訳アドバイザー」のWeb化がメインとなる。これにより、弥生が登録した仕訳事例をベースに、それらに対するユーザからの質問や回答、新たな仕訳の投稿などが可能になり、ユーザどうしでデータベースを拡充させることができるというもの。Web版は弥生会計以外の他社製品ユーザでも利用可能で、誰もが仕訳事例を参照/投稿できるしくみになっている。「MicrosoftのSilverlightを使うことで仕訳アドバイザーのWeb化が実現した。今後は多くのユーザの力を借りて、日本一の仕訳データベースを作りたい」と岡本社長。製品版に載っている仕訳例数も、907(弥生10)から2,313と大幅に増えており、検索の使いやすさも大幅に改善されている。なお、ユーザから寄せられた回答や投稿に関しては、定期的に弥生の専門チームやパートナーが巡回を行い、内容をチェックするという。仕訳アドバイザーのWeb版公開は12月、ソーシャル機能は2月からスタートする予定になっている。

また、岡本社長が「個人的にもっともこだわっている」という、ユーザの使い勝手「かんたん・やさしい」については今回もこだわり、決算や申告といった年に1回の業務に関しても「かんたん・やさしい」を実現したとする。「弥生10ではたとえば青色申告決算書などの場合、印刷プレビュー画面で確認し、その後、未記入箇所や修正箇所を確認してもう一度入力画面に戻る、という手間がかかっていた。弥生11ではこれを大幅に改善し、青色申告決算書や確定申告書でも、提出用紙通りの画面で入力/確認ができ、入力が必要な部分や修正箇所を色分けでわかりやすく示すようにした。この部分はまだ改善が見込める部分だと思うが、少なくとも旧製品に比較すると大幅に使いやすくなっている」(岡本社長)

さらに、「かんたん・やさしい」というブランドイメージを訴求するべく、弥生 11 シリーズではイメージキャラクターにタレントの皆藤愛子さんを新たに起用、業務ソフトのむずかしいイメージをやわらかく見せてくれるものとして期待している。

弥生 11シリーズのイメージキャラクターにはタレントの皆藤愛子さんが起用された

サポートについては、従来までの基本的サービスを備えた「ベーシックプラン」のほか、手厚いサポートを望む顧客向けの「トータルプラン」、ベーシックプランから電話/メールサポートなどを除いて価格を抑えた「セルフプラン」の計3プランを用意する。

「今は時代が大きく変わりはじめているとき。これまでのメーカーからユーザに向けて一方通行で情報提供する時代は終わり、ユーザに納得してもらえる価値をユーザと共に作り出す時代。業務ソフトもそうでなければならない」と岡本社長。10年後もユーザに喜んでもらえる製品を作り続けていくために、"共有・共生・共創"をテーマに、No.1業務ソフトメーカーとして製品/サービスの強化と市場の拡大に務めていく姿勢を見せている。

弥生 11シリーズの新パッケージを手にする岡本社長。パッケージの出来に関しては「ジャケ買いならぬパケ買い目的の人が出るのでは!?と思うくらい上出来」と満足げ