Silicon Laboratories(Silicon Labs)は、柔軟な周波数設定が可能なインサーキット・プログラマブルCMOSクロック・ジェネレータ「Si5350/Si5351」を発表した。いずれも、すでにサンプル供給を開始しており、量産は2010年第4四半期を予定。単価は1万個時で、3出力品が0.66ドルから、8出力品が2.38ドルからとなっている。
2製品ともに、オンチップVCXO(電圧制御水晶発振器)を搭載したオクタル・クロック・ジェネレータで、従来型の複数の部品を必要とするPLLソリューションを1つのクロックICで代替することが可能だ。
また、同社が特許を保有する「MultiSynthテクノロジー」を利用することで競合するタイミング製品に比べ2倍の周波数設定の柔軟性のほか、70%少ないジッタ、30%低い消費電力を実現。DVR、HDTV、STB、ゲーム・システムといったコスト重視の民生電子製品のみならず、プリンタ、プロジェクタ、ビデオ会議システム、ブレード・サーバ、シングルボード・コンピュータ、RAIDシステム、フェムトセル、テレコムCPE装置向けクロックとしても最適化されている。
さらに、従来のクロック・ジェネレータが、整数ではない関係の各々の出力周波数を合成するために個々にPLLが必要なのとは異なり、8本の出力クロックの各々に関し固有周波数を合成することが可能。PLLではなくクロック・デバイスの出力デバイダ・ステージにクロック合成機能を一体化することで、基板スペースと電力消費を低減しつつ8個のPLLと同等のクロック合成能力を実現している。
これにより、周波数誤差ゼロppmで133MHzまでの8本の個別非整数関係周波数をどの組み合わせでも合成することが可能だ。加えて、水晶入力から自走クロックを、同様に基準クロックまたはアナログ制御電圧入力に同期したクロックを同時に発生することもでき、1個のSi5350/Si5351から複数のボードレベル・タイミング領域をクロック駆動することが可能となっている。
このほか、周波数シフト技術により、6本の出力で2つの速度の間をシフトするグリッチのない周波数を実現。これにより、複数のフォーマットや表示仕様をサポートするために、周波数の合成を必要とするオーディオおよびビデオ・アプリケーションでのクロック合成を簡素化することが可能となるほか、組み込みアプリケーションでのCPU性能の向上も可能であり、プロセッサのオーバークロッキングも容易に行うことが可能となる。