Analog Devices(ADI)は、電源オフ時に非導通状態を保持するパワーオフ・プロテクション・スイッチ「ADG4612」「ADG4613」2製品を発表した。いずれもすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は1.87ドルとしている。
2製品ともに無通電状態の時にオフ状態にもオン状態にもなる可能性のある通常の半導体スイッチとは異なり、電源オフ時の非導通状態を保持することが可能。これにより、データ通信、通信インフラストラクチャシステムや、電流に敏感な機器で、回路基盤部品に損傷を与え、データや通信システムに障害を与える可能性のある電流が、回路基板に流れ込むのを防ぐことが可能となり、このオフ状態保障機能について同社は、電源電圧がオンになる前にスイッチ入力部にアナログ信号が印加される可能性のあるアプリケーションや、ユーザが複数電源の供給シーケンスを制御できない場合に特に効果を発揮するとしている。
また、過電圧保護も特長としており、オフ状態で最高16Vまでの信号レベルをブロックすることができるほか、最大6.1Ωの低オン抵抗を実現(オン抵抗平坦度:最大1.75Ω以内)しているので、データアクイジションやゲイン・スイッチング・アプリケーションに対応可能だ。
さらに、抵抗値変化の曲線は、全アナログ入力範囲にわたって平坦なので、オーディオ信号の切り替え用として優れた直線性と低歪みを保証するほか、4個の個別のSPST(単極/単投)スイッチが内蔵されており、ADG4612では、各スイッチは専用コントロール入力上の論理1でターンオンし、ADG4613では2個のスイッチが論理1で、他の2個のスイッチが論理0でターンオンするようになっている。