東芝は11月4日、街全体のインフラ網の最適化を目指す「スマートコミュニティ事業」関連の研究開発を加速するため、開発拠点である府中事業所にスマートグリッド研究棟/太陽光発電研究棟を新設するなど、研究環境を整備すると発表した。

スマートグリッド研究棟では、電力系統から需要家までのスマートグリッドのシステムと模擬装置を配置し、これらを連携させることで、総合的な評価が可能な「統合型スマートグリッド評価システム」を実現している。安定的な電力供給の維持と電力の効率的な運用を目指し、12月上旬から実証研究を開始する。

スマートグリッド研究棟の外観イメージ

統合型スマートグリッド評価システムは、発電設備や変電所を模擬した「電力系統シミュレータ」、グリッド内での電力変動を吸収して外部系統への影響を監視・制御する「マイクログリッド監視制御装置(μEMS)」、スマートメータから送信される情報を収集・分析して電気料金の設定や需要家の効率的なエネルギー利用を支援する「メータデータ管理システム(MDMS)」などを備えている。

太陽光発電研究棟には、単結晶・多結晶・薄膜など各種太陽電池パネル約420kW分を設置し、パワーコンディショナ、二次電池「SCiB」などを組み合わせた太陽光発電システムが構築されている。同システムを用いた実証実験を12月上旬から開始し、各種太陽電池パネルとパワーコンディショナや蓄電池を組み合わせたシステムとしての品質・性能などの検証を実施する。

太陽光発電研究棟の外観イメージ

太陽光発電研究棟の横には「CHAdeMO(チャデモ)規格」に対応した電気自動車向けの急速充電スタンドが設置された。