Brightcove マーケティング担当シニアバイスプレジデント Jeff Whatcott氏 |
ブライトコーブは11月2日、同社が提供するオンラインビデオプラットフォームの新版「Brightcove 5」を発表した。新版では、YouTubeへの配信/同期やApple HTTPストリーミング対応をはじめ、さまざまな機能が追加されている。
Brightcoveは、オンラインでサービス展開するビデオ配信プラットフォーム。動画配信サーバのみならず、動画配信用CMS(Brightcove Studio)や自動エンコーディング機能、視聴レポート機能などを提供しており、ユーザー企業はBrightcove Studioで出力されたタグをWebサイトに組み込むだけで、視聴者の環境に適した動画コンテンツを配信することができる。すでに48カ国で2300以上の顧客を抱え、国内でも100社以上の導入実績を持つ。
新版では、ユーザー企業の視点に立ち、「より多くの視聴者にリーチする」、「インターネット動画への投資効果を最大化」、「生産性の向上」という3つのテーマの下に機能強化を実施している。各テーマにおける主な強化ポイントは以下のとおり。
より多くの視聴者にリーチする
- YouTubeとの同期: Brightcoveの管理画面からYouTubeに動画をアップロードできる機能を搭載。一度の操作で自社サイトとYouTubeの双方に動画を掲載できるようになった。また、Brightcoveで施した変更をYouTube上の動画に自動的に反映できるほか、タグなどのメタデータもYouTubeにアップロードすることができる。タグと管理機能を組み合わせて、例えば「Promotion」というタグが付けられた動画はYouTubeにも自動的にアップロードするといったことも可能になっている
- Apple HTTPストリーミングに対応: Apple HTTPストリーミングをサポート。高画質な長尺動画をマルチビットレートでApple iOSデバイスへ配信できるようになった。iPad、iPhoneに対して最適な画面サイズの動画が流せるほか、ユーザーが使用している回線に応じてビットレートが自動的に変更される
インターネット動画への投資効果を最大化
- 解析機能の強化: プレーヤレベルの測定、上位のリファラーや検索キーワード、動画が埋め込まれているドメイン、視聴継続時間、市町村レベルの視聴地域レポート、エンドユーザのブラウザ、OS、ランタイムの詳細情報など、視聴者の情報分析がこれまで以上に詳細に行えるようになり、10種類以上のレポートが新たに追加された
- ライブHDとDVR: Akamai HDテクノロジに基づくマルチビットレートHDライブストリーミングのサポートにより、ライブイベントのスムーズな再生、高解像度HDでの提供が可能になった。ライブDVRプレーヤコントロールはライブイベント閲覧中に巻き戻して再生する機能も搭載。広告表示にも対応する
生産性の向上
ブライトコーブ バイスプレジデント 須賀正明氏 |
- プレーヤのクロスプラットフォーム対応: これまでPCとiPhoneの双方の視聴に対応させる場合には、Flash向けとHTML 5向けの2種類のプレイヤーを用意しなければならなかったが、今回からはプレイヤーを1つ用意するだけで両環境向けのプレイヤーが自動生成されるようになった。カスタマイズしたプレイヤーに変更を加えた場合も、Flash/HTML 5それぞれのプレイヤーに自動的に変更内容が反映される。なお、Brightcoveでは、ユーザーのデバイスを検知し、対応するプレイヤーを自動的に配信する機能も以前から提供している
- 動画アップロードの高速化: Asperaのファイル転送高速化技術を採用し、従来に比べて5~20倍の速度で動画をアップロードできるようになった。ブライトコーブのテストでは、約120分かかっていた1GBのファイルのアップロード作業が、約20分で完了するようになったという。なお、同機能を利用するには、専用のブラウザ・プラグインまたはデスクトップ/サーバーソフトウェアを導入する必要がある
- iPhone用モバイル動画アップロードアプリ: iPhoneに専用アプリをインストールすることで、ユーザーがiPhoneで動画コンテンツを撮影/編集し、その場でBrightcoveアカウントへアップロードできるようになった。なお、アプリケーションはAppStoreにて無償で配布されている
Brightcoveの利用料金は、トラフィック量に応じた従量課金で、月額5万円~数百万円程度になるという。また、今回のバージョンアップは自動的に提供され、追加ライセンス等は必要ない。