F5ネットワークスジャパン プロダクトマーケティングマネージャの帆士敏博氏

F5ネットワークスジャパンは11月1日、同社製品および保守サービスの価格改定を行うと発表した。ほとんどの製品で20~33%の大幅値下げが実施される。

対象となるのは、アプリケーション・デリバリ・コントローラ(以下、ADC)製品群「BIG-IP」、SSL VPN製品群「FirePass」、ブレード型ADC製品群「VIPRION」など。仮想アプライアンスとして提供されている「BIG-IP Local Traffic Manager Virtual Edition」、「FirePass Virtual Edition」、およびファイルストレージ仮想化製品「ARX」は除外されるが、F5が提供する主力製品のほとんどが大幅値下げされる。

主な製品の価格は以下のとおり(全製品の価格はこちらで確認できる)。

製品名 旧価格 新価格 値下げ率
BIG-IP Local Traffic Manager 1600 448万円 299万円 33%
BIG-IP Local Traffic Manager 3600 748万円 510万円 31%
BIG-IP Local Traffic Manager 3900 999万円 680万円 31%
BIG-IP Local Traffic Manager 6900 1370万円 935万円 31%
FirePass 1205 Remote Access Controller(10 Concurrent Users) 153万円 119万円 22.2%
VIPRION Blade: Performance Blade 200 2410万円 1870万円 22.4%

価格改定を実施した理由として、F5ネットワークスジャパン プロダクトマーケティングマネージャの帆士敏博氏は「顧客カバレッジの拡大」を挙げる。帆士氏によると、同社は今年5月~6月にかけてパートナー企業およびユーザー企業に対して1029件の定量調査を実施。さらに、「フォーカス・グループ・インタビュー」というかたちで特定企業の9名を対象に3時間×2回の定性調査も行った。その結果、製品の機能や信頼性の面では高い評価が得られたものの、コストの面では否定的な意見が多かったという。

具体的には、「F5製品は、ダウンタイムが許されないようなミッションクリティカルなアプリケーションで採用されるケースが多いが、そのほかの案件では、候補には挙げていただくものの、予算の都合で断念するお客様が少なくない」(帆士氏)と言い、こうした問題を解消すべく価格の見直しに踏み切った。同社では、今回の価格改定により、35-40%の販売台数増加を見込んでおり、2011年度には、国内のマーケットシェアを現在の43.4%から50%までを拡大させたい考え。

なお、F5は、北米、欧州、アジアなど、地域ごとに適切な価格を決める体系になっており、今回の価格改定が行われるのは日本のみになるという。F5ネットワークスジャパン マーケティングコミュニケーションズ マネージャ 僊元敏博氏は、こうしたワールドワイドの販売戦略を説明したうえで、「大幅値下げを実施することになるが、F5製品の開発予算に影響を及ぼすことはないため、品質、パフォーマンスは従来通りのレベルが確保される」(F5ネットワークスジャパン マーケティングコミュニケーションズ マネージャ 僊元敏博氏)ことを強調した。