富士通は10月27日、2010年度 第2四半期(7~9月期)の決算を発表。売上高は1兆1001億円(前年同期比421億円減)。営業利益は371億円(同182億円増)となったが、主に円高が進行したことによる為替の影響が大きく、純利益は550億円の大幅減となる174億円という結果になった。これを受けて同社は通期の業績予想を下方修正を行った。

富士通 取締役執行役員専務(CFO) 加藤和彦氏

同社 取締役執行役員専務(CFO) 加藤和彦氏は、「国内やアジア・パシフィック地域は比較的堅調だったが、欧米での事業が依然厳しい環境にある」と説明。とくに円高による業績への影響は大きく、「為替の影響だけで売上高が前年同期比で約500億円減少している」(同氏)という状況になっている。

セグメント別の状況は以下の通り。

  • テクノロジーソリューション
    売上高は7350億円(前年同期比226億円減)、営業利益は477億円(同51億円増)。第1四半期に続いて国内やアジアパシフィック地域は堅調に推移したものの、英国政府の財政緊縮策による影響を含む欧米市場の停滞が尾を引いており、結果として海外売上の落ち込み(前年同期比12%減)が目立つ状況となっている。

  • ユビキタスソリューション
    売上高は2463億円(前年同期比70億円増)、営業利益は44億円(同32億円増)。国内の企業向けPCの販売が堅調に推移。携帯電話が新機種投入効果で伸張したほか、「エコカー減税」終了前の駆け込み需要を取り込んだオーディオ・ナビゲーション機器が増収となった。ただし、このセグメントも為替の影響が大きく、海外の売上については前年同期比で16.2%の減収となっている。

  • デバイスソリューション
    売上高は1611億円(前年同期比126億円増)、営業利益は52億円(同71億円増)。LSIについては携帯電話やサーバ向けの需要が回復したことによる増収となり、電子部品も伸張。この分野は為替の影響を増収効果で補っている。

この直近3ヵ月の結果により、四半期累計の売上高は2兆1474億円(前年同期比391億円減)、経常利益は314億円(同611億円増)、純利益は190億円(同241億円減)となる。

同社は今回の結果を踏まえ、2010年度通期の連結業績について売上高を7月予想比で1300億円減となる4兆6700億円に、経常利益は同100億円減となる1600億円にする下方修正を行った。営業利益(1850億円)と当期純利益(950億円)については据え置きとしている。

また同社は、2010年度下半期の業績予想前提となる想定為替レートについて、1米ドル90円→85円、1ユーロ115円→105円、1英ポンド135円→130円に変更した。