三菱化学は、リチウムイオン電池用電解液を英国および米国にて製造開始するため、2010年内をめどに現地製造販売新社を設立することを決定したことを発表した。
英国、米国ともに、三菱レイヨンの完全子会社である英Lucite International Group内の工場敷地内に新工場を設立、三菱ケミカルホールディングスグループとしてのシナジーの発揮を目指す。
2拠点ともに新会社名は未だ決定されていないが、設備投資額はいずれも約25億円程度を検討しているとのことで、英国は2011年秋の営業運転開始予定で年産1万t、米国は2012年夏の営業運転開始予定でこちらも年産1万tの生産が計画されている。
これにより、リチウムイオン電池用電解液の増強は、すでに決定されている四日市市とあわせて2万5000tとなり、現状の四日市事業所の8500tと合わせると3万3500tとなる。なお、同社では2015年時点の目標生産能力を年産で5万tとしており、引き続き国内外での増強を検討していくとしている。
なお、同社は電解液のほか、負極材、正極材、セパレータの製造も行っており、4材料合計の2010年度売上高見込170億円に対し、生産能力の増強により、2015年には4材料合計で800億円の売上高を見込んでいる。