ダイキン工業は、ルームエアコン「うるるとさらら」の2011年モデルとして、「うるるとさらら Rシリーズ」を発表。11月19日から順次発売する。

新製品のうるるとさららRシリーズ

新製品とうるるとさららのキャラクターであるびちょんくん

同社独自の無給水加湿による「湿度コントロール」や、部屋の隅々までスピーディに快適な空気を届ける「4方気流」に加えて、新たに「光速ストリーマ」を搭載。3つの同社オンリーワンテクノロジーによって、空調の快適4要素である「温度」「湿度」「気流」「空気清浄」をより高いレベルで実現できるとしている。

部屋に浮遊するウイルス、カビ菌、細菌を光触媒チタンアパタイトフィルターで捕集し、光速ストリーマを照射することでウイルスを1時間で99.9%抑制。上下左右から吹き出す4方気流により、部屋隅での浮遊カビ菌残存率を約2分の1に低減するという。また、光速ストリーマで作る除菌水により、熱交換器やファンなどのエアコン内部のニオイの原因菌を除去できるという。

Rシリーズの内部構造

光速ストリーマユニット

光速ストリーマユニットを取り外したところ

光速ストリーマをはじめとするオンリーワン技術を搭載、高いレベルで快適な空調を実現する

「当社のコンタクトセンターへの問い合わせを分析すると、異臭が気になるという声が多く、年々件数が増加している。部屋の空気清浄だけでなく、エアコン内部の脱臭に対するニーズが高い。その臭いの発生源であるカビや菌の除去は、光速ストリーマ技術で解決できる。エアコンの内部をきれいにするするのは最後に残された課題。内部をきれいにすれば、空気もきれいになる」(ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 商品企画担当課長 多田裕之氏)としたほか、「奈良女子大学との共同研究において、ニオイの原因菌を特定し、内部くん蒸、除菌水洗浄によって、この原因菌を分解、除去する」(ダイキン工業 空調生産本部 小型RA商品グループリーダー 小泉淳主任技師)とした。

ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 商品企画担当課長 多田裕之氏

ダイキン工業 空調生産本部 小型RA商品グループリーダー 小泉淳主任技師

Rシリーズのほかに、Hシリーズ、DXシリーズ、Cシリーズ、Pシリーズ、Eシリーズを発売。従来は、最上位モデルにだけ光速ストリーマ技術を搭載していたが、新製品では、すべてのモデルに光速ストリーマ技術を標準搭載する。

今回の新製品からすべてのルームエアコンに光速ストリーマ技術を搭載する

2011年モデルのラインアップ

ダイキン工業 執行役員 空調営業本部長 坪内俊貴氏

「ルームエアコン市場は、今年夏の猛暑の影響もあり、2010年度上半期は前年同期比16%増の514万台と記録的な成長を遂げ、下期についても夏の余熱需要、住宅着工件数の回復、エコポイントの前倒し需要、厳冬という予想があり、前年並みの246万台の市場規模が想定される」(ダイキン工業 空調営業本部長の坪内俊貴執行役員)としたほか、「年間では前年比10%増の760万台の市場規模となるが、これを量販店への出荷ベースであり、実売ベースでは800万台規模に達するのではないか。また、2011年度は年間720 - 730万台の市場規模が想定される」(多田担当課長)としている。

さらに、「エコポイント制度の影響については、11 - 12月では、1 - 3月分の前倒し分として業界全体として8 - 9万台、3月の駆け込み需要では3 - 4万台程度の前倒しがそれぞれ期待される」とした。

ルームエアコンの業界動向。旺盛な需要が続くとみられている

こうした旺盛な需要が続くなかでダイキン工業は、機器本体の省エネ性だけでなく、上手な省エネ運転の使い方の提案と、健康/清潔志向の高まりや部屋の空気清浄ニーズの拡大を切り口に展開していく姿勢をみせる。

「省エネ基準の改訂にあわせて全機種で省エネ基準をクリア、センサーなどを活用することで湿度および気流をコンロトールすることで実使用上の省エネを実現。ナビゲーションや電気代表示といった実績表示による省エネ運転の促進を図る。一方で、住宅の高気密、高断熱化により室内にカビや臭いがたまりやすい環境になっていることも対応する。昨年度の製品では、冬場の足下暖房、夏場の気流制御による直接風が体に当たらない環境の実現に徹底的に取り組んだが、今年の製品では清潔という点にこだわる」(多田担当課長)などとした。

同社では、2011年モデルの開発コンセプトを「空気であなたを守る」としている。

ダイキン工業が光速ストリーマ技術を搭載した製品を発売したのは、2004年の空気清浄機が最初。その後、クリアフォース、加湿空気清浄機などに展開。昨年度からは高速バス車両への採用や、業務用エアコン、業務用空気清浄機、業務用ダクトシステムなどにも搭載されている。「搭載製品は年々拡大傾向にあり、今回、壁掛け型ルームエアコン全機種に光速ストリーマ技術の搭載を広げることで、2011年度には、光速ストリーマ搭載製品で1,000億円の売上高を突破する見込みだ」(坪内執行役員)とした。

光速ストリーマ技術搭載製品で売上1,000億円をめざす