Freescale Semiconductorは、同社の16ビットマイクロコントローラ・ファミリ「S12」を拡張する「S12G」ファミリを発表した。

より快 適で便利な車載機能に対するニーズが高まる中、自動車ボディ・エレクトロニクス市 場では、競争力のある価格帯を維持しつつ、車載半導体製品を高度化することが常に 求められています。今回発表した「S12G」ファミリは、非常に柔軟なメモリ、パッ ケージおよび価格オプションを備えており、コスト重視の自動車ボディ・エレクトロ ニクス・アプリケーションに幅広く対応します。

同ファミリは、自動車のボディ・コントローラやドア・モジュール、乗員検知システム、HVAC、シート・コントローラ、照明モジュールなど、CANやLIN/SAE J2602通信を必要とする車載アプリケーションに対応するデバイスで、S12コア・アーキテクチャをベースとしているため、包括的なS12エコシステムを活用することで、占有メモリの最小限化と開発コストの削減が可能だ。

0.18μmプロセスを活用、幅広いローエンド・ボディ・アプリケーション向けのオプションを提供する。同ファミリの製品はいずれも互換性を備えており、車載設計において、パッケージやメモリ・サイズを自由に増減させて移行することが可能だ。また、オンボードEEPROMなどの付加価値機能が統合されており、高度でありながらもユーザ・フレンドリなアプリケーション設計が可能になると同社では説明している。

バス周波数25MHzのS12コアを採用しており、従来の8ビット・アプリケーション設計の高度化に必要な処理能力を実現することが可能なほか、エラー訂正コード(ECC)を備えた最大240KBのオンチップFlashを搭載。これにより、コードの格納が可能となり、オンボードFlash/ROMを節約することが可能となった。

また、ECCを備えた最大4KBのEEPROMにより、従来世代で利用されていたデータFlashよりも使いやすいユーザ・インタフェースを実現することが可能。

さらに、CANプロトコル2.0A/Bをサポートするマルチスケーラブル・コントローラ・エリア・ネットワーク・モジュールにより、CAN通信ポートの高度なシステム・ニーズに対応できるほか、LIN通信をサポートする最大3つのシリアル通信インタフェース・モジュールと最大3つのシリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)モジュールにより、多数のSCI/LINまたはSPI通信ポートが必要な場合にも柔軟に対応することが可能となっている。 ラインアップとして、16KB~240KBのFlashが対応可能となっているほか、パッケージも20TSSOPから100LQFPまで用意されているため、用途に応じて柔軟な設計が可能となっている。

なお、同ファミリは、同社の長期製品供給プログラム(Product Longevity Program)の対象となっており、最低15年間の供給体制が保証されている。