米Googleは10月14日(現地時間)、2010年第3四半期(2010年7月-9月)決算を発表した。大幅な増収増益を達成、特に純利益は市場の予想を上回る前年同期比32%増だった。CEOのEric Schmidt氏は「コアビジネスの順調な拡大に加えて、新たなビジネス、特にディスプレイ広告やモバイルが著しい成長を見せている」とコメントした。

第3四半期の売上高は72億9000万ドル(前年同期比23%増)。会計原則 (GAAP) ベースの純利益は21億7000万ドル(同32%増)で、希薄化後1株あたりの利益(EPS)は6.72ドル。昨年7-9月期の純利益は16億4000万ドル(GAAP EPS: 5.13ドル)だった。

売上高の内訳は、Googleのサイトからの売上高が全体の67%となる48億3000万ドル (前年同期比22%増)。Googleネットワークと呼ばれるAdSenseプログラムを通じたパートナーサイトからの売上高は、全体の30%の22億ドル (同22%増)だった。TAC (トラフィック獲得費用) は18億1000万ドルで、前年同期の15億6000万ドルから増加した。TACの広告収入全体に対する比率は26%。前年同期は27%だった。ペイドクリック数(検索広告クリック数)は前年同期比16%増、クリック単価は同3%増。

米国で景気回復傾向が見られるようになってから、Googleはいち早く事業開拓への投資や買収戦略を再開させた。2010年6月30日時点で2万1805人だったフルタイム社員数は、9月30日時点で2万3331人に増加した。ただし、十分に景気が回復していない中で、こうした急速な拡大を懸念する声もある。シニアバイスプレジデントのJonathan Rosenberg氏はカンファレンスコールで、ここ数年で開拓してきた新たな事業の着実な成長を強調した。例えばディスプレイ広告事業は年間25億ドル規模に拡大しており、モバイルは10億ドル規模に達している。またYouTubeも週に20億回以上の視聴が収入につながっているという。こうした新興事業は、Googleの事業全体の中ではっきりと認識できるほどではない。だが、こうした見えにくい成長要因が今回の市場の予想を上回る結果につながったと語った。