マイクロソフトの取り組みについて説明した、マイクロソフト 執行役 法務・政策企画統括本部長 伊藤ゆみ子氏

マイクロソフトは10月8日、今年1月から活動を始めている「ITを活用した若者の就労支援プロジェクト」に関する取り組みを拡充することを発表した。

同プロジェクトは、若者の職業的自立を支援する政府事業「地域若者サポートステーション」を受託するNPOと連携して展開している取り組み。すでに各地域の若者サポートステーションで実施するITスキル講習の講師養成や、オリジナルテキストの開発、就労支援ポータルサイトの開設、アドバイザリーボードの設置、明治大学 経営学部 公共経営学科 教授 塚本一郎氏による第三者評価調査の実施などを行っている。

プロジェクトにの中心的な活動であるITスキル講習の講師養成については、今年1月からスタートし、その講師らによるITスキル講習も4月から始まっている。受講者数は、「4月~8月までの5ヶ月間ですでに2009年度1年間の実績を上回るところもある」(NPO法人 育て上げネット 理事長 工藤啓氏)といい、受講者の就職等進路移行率(6カ月以内に就職や進学など、次の進路に進む率)も厚生労働省が掲げる目標値の30%を上回る37%に達している。

NPO法人 育て上げネット 理事長 工藤啓氏

マイクソロフトでは、今後この活動をさらに拡充していく意向で、まずは次の4つの取り組みを順次開始していく。

  1. 支援拠点の拡充 : 現在首都圏の5カ所(足立、川口、立川、三鷹、横浜)にとどまっているマイクロソフト支援拠点を、全国25カ所にまで拡充する。これに伴い、地域サポートステーションを受託するNPO法人に対して2010年11月1日~11月30日まで支援依頼の募集を行う。支援対象に選ばれたNPO法人は2011年1月よりIT講師養成研修を受け、2011年4月~2012年3月まで講習を実施することになる。
  2. インターンシップ機会の提供 : 「若者向けマイクロソフト インターンシップ プログラム」と題し、ITスキル講習に参加した若者に対してマイクロソフトがインターンシップの機会を提供する。このインタン―ンシップでは、同社の営業やマーケティングの業務を1ヶ月間体験することが可能。1年間で10名程度を見込んでいる。
  3. 職場見学機会の提供 : 「マイクロソフト職場見学プログラム」と題し、ITスキル講習に参加した若者がマイクロソフトの職場を見学する機会を提供する。10月から隔月で実施予定。
  4. ITスキル講習の拡充 : これまでサポートしてきたMicrosoft Windows 7やMicrosoft Office 2010などを活用したITスキル講習に加えて、PCを活用する際に必要な情報セキュリティの知識や、マイクロソフトテクノロジによるWebサイト構築技術などもメニュー化する予定。

マイクロソフトでは、今回の説明会開催に併せて、職場見学会の1回目を開催。ITスキル講習の受講者が、マイクロソフト 代表取締役 社長の樋口泰行氏や同社 執行役 オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏に対してさまざまな質問をぶつけたほか、優秀受講者に対する表彰式も行われた。

第1回職場見学会の様子

マイクロソフト 代表取締役 社長の樋口泰行氏