ソニーは、携帯電話などに向けて、高感度・低ノイズなど撮像特性を向上させた裏面照射型CMOSイメージセンサ「Exmor R」2モデルを商品化することを発表した。また、併せて、同センサを採用したレンズモジュール1モデルを含む小型オートフォーカスレンズモジュール2モデルも商品化することを発表した。
今回商品化されたのは、独自の微細加工技術および独自の度とダイオード形成を採用することで実現した1.12μm単位画素を採用し、1/2.8型ながら有効1641万画素を実現した「IMX081PQ」と、1.4μm単位画素を採用し、高感度性能に優れた1/3.2型有効813万画素の「IMX105PQ」。フラッシュを装備するのが難しい携帯電話などに、高い感度性能を実現した両センサを搭載することにより、薄暗いシーンでも、低ノイズで高画質な静止画や動画撮影が可能となると同社では説明している。
また、A/Dコンバータ(ADC)を画素の垂直列ごとに並列配置した独自の「列並列A/D変換方式(カラムA/D変換方式)」を採用しており、前画素読み出し性能15fpsによる高フレームレート撮影およびフルHD動画撮影を可能としている。
一方、併せて発表されたオートフォーカスレンズモジュール「IU081F」および「IU105F2」は、センサの特性を生かす高性能レンズを採用しながら小型化を実現したもの。IU081Fは有効1641万画素のセンサを搭載するオートフォーカスレンズモジュールながら、10.5mm×10.5mm×7.9mmのサイズを実現。IU105F2は有効813万画素のセンサ搭載で8.5mm×8.5mm×5.67mmのサイズを実現しており、F値の小さい明るいレンズを組み合わせることで、同社現行品(表面照射型)に比べ、約2倍の高感度を実現している。
同社は2009年より、ソニーセミコンダクタ九州の長崎テクノロジーセンター(長崎テック)の200mmウェハラインで、デジタルスチルカメラやビデオカメラ向けのExmor Rの生産を行ってきたが、2010年末からは、今回開発したモデルを含めて同熊本テクノロジーセンター(熊本テック)の300mmウェハラインでも生産を開始する予定で、すでに熊本テックにおけるCMOSイメージセンサの生産設備の増強を目的に、約400億円の設備投資計画が発表されている。
なお、CMOSイメージセンサおよび各モジュールの出荷時期と価格は、IMX081PQが2011年1月より出荷予定でサンプル価格が2500円、IMX105PQが同4月より出荷予定でサンプル価格が1500円、IU081Fが同3月の出荷予定でサンプル価格が1万2000円、IU105F2が同4月出荷予定でサンプル価格が8000円となっている。