伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月7日、新ブランド「cloudage」を発表。同社のクラウド関連ビジネスを体系化して強化を図るとともに、新たにマイクロソフトのSharePoint Server 2010をベースとしたSaaS型ポータルサービスやVMWareの技術を基盤としたセルフサービス型のITリソース仮想化ホスティングサービス(トライアル)の提供を開始する。
都内で開催された記者説明会において同社 取締役 兼 常務執行役員 クロスファンクショングループ 担当役員 齊藤晃氏は「IT分野では今、(クラウドという)十数年ぶりの大きなパラダイムシフトが起きている時期である」と述べ、「コスト、柔軟性、拡張性の3つの側面からクラウドが今後ますます進化することになるであろう」と指摘。同社としても2012年度におけるクラウド関連ビジネスの売上目標を700億円に据え、4月に設置した専任組織「クラウドビジネス企画推進部」を中心として関連ビジネスの強化を図る考えを示した。
また、この専任組織の部長を務める田中匡憲氏は、「SIerとしてクラウドに対してどのように向かい合うべきか、何が強みになるのか」といった点について説明。これまでの仮想化技術への取り組みをベースとした同社の「インフラ構築力」と、国内有数のデータセンターを基盤とした「高品質・高信頼のサービス提供力」、コンサルティングから開発、運用保守に至るサービスをワンストップで提供できる「トータルITサービスの提供力」といった、これらの3つの要素が大きな強みであると強調した。
これまで同社は、Salesforce CRMやGoogle Appsなどの"パートナー提供サービス"も含め、約40種類のクラウド関連サービスを提供してきたが、新ブランドの立ち上げを機にこれらを5つのカテゴリ(「プライベートクラウド構築ソリューション」「仮想化ホスティング」「SaaS」「クラウド導入コンサルティング」「クラウド運用アウトソーシング」)に分類して体系化し、人材の強化も含めて顧客のビジネスを支援する基盤を整備する。
なお同社は今回の新ブランド発表にあわせて、「SaaS」のカテゴリにマイクロソフトのSharePoint Server 2010をベースに構築したクラウド型ポータルサービス「cloudage ポータル」を追加。また、「プライベートクラウド構築ソリューション」のカテゴリに属するITインフラ仮想化/統合化コンサルティングサービス「SOIDEAL」に(既存のサーバを対象としたものに加え)ストレージとデータ保護(「SOIDEAL for ストレージ/データプロテクション」)を追加した。
さらに同社は、8月に米国で発表されたばかりのVMWareのクラウド環境管理ツール「VMware vCloud Director」を基盤としたオンデマンドによるセルフサービス型の仮想化ホスティングサービスのトライアル提供(無償)も開始する。なお、このサービスは「2011年1月ごろをメドに正式版として提供予定」(田中氏)とのことだ。