米Logitechは10月6日(現地時間)、米サンフランシスコにおいて、HDTVをGoogle TVに対応させるコンパニオンボックス「Revue」の製品発表会を開催した。価格は299.99ドル(キーボードコントローラが付属)。同日よりLogitech.com、Amazon.com、BestBuy.comなどで予約受付を開始、10月末までに出荷が始まる見通しだ。発表会にはGoogleやDish Network、IntelなどGoogle TVプラットフォームのパートナー企業が参加し、Google TVの機能やサービスを説明した。
YouTubeには現在、1分ごとに24時間分の動画がアップロードされているそうだ。ネット上のデジタルコンテンツはすさまじい勢いで増加し続けている。また音楽や映画・TV番組のオンライン配信の普及とともに、消費者のパソコン内またはネットワーク対応HDD(NAS)にデジタルコンテンツのライブラリが存在することが珍しくなくなってきた。では、コンテンツの増加でユーザーのデジタルライフがより快適になっているかというと、ユーザーは複数のデバイスやサービスの使い分けを強いられ、その結果コンテンツへのアクセスや管理が複雑になるばかりだとLogitech CEOのJerry Quindlen氏は指摘した。「1つのスクリーンで、1つのインターフェイスを通じて、すべてのコンテンツにアクセスできる方法が存在しない」という今日の問題をGoogle TVとRevueが解決するという。
Google TVを簡単に説明すると「TVで、WebブラウザとAndroidアプリを利用可能にするプラットフォーム」だ。AndroidをOSに、ChromeブラウザとFlash Player 10.1の組み合わせで構成される。TV上でユーザーがTV番組/ Web/ アプリを別々に利用するのではなく、Google TVのインターフェイスを通じて、それらのコンテンツにユーザーがシームレスにアクセスできるのが特徴だ。
どうやってTV番組/ Web/ アプリをまとめるかというと、その役割を"検索"が担う。コントローラ/リモコンには検索ボタンが用意されており、ひと押しでいつでもTV画面上に検索ボックスを呼び出せ、そして横断的な検索を実行できる。例えばRevueのデモでは「top gear」と検索すると、YouTube動画、HDDレコーダーで録画した番組、TV放送スケジュールなどの検索結果が画面に現れた。そこから目的のコンテンツにアクセスする。デュアルモードというピクチャーインピクチャーのような機能を備えており、常にTV番組を小さな画面で表示できる。例えば野球中継を観戦している途中で、試合中継を小さな画面で表示しながら選手の統計ページをチェックしたり、食べ物の番組を見ながら同時にレシピを確認するなど、様々な利用方法が考えられる。
Google TVの操作にはキーボードおよびポインティングデバイスの役割を担うコントローラが必要になる。LogitechはRevue用に3種類のコントローラを用意した。
「Logitech Keyboard Controller」はトラックパッド付きのキーボードで、パソコンを操作する感覚でGoogle TVを扱える。「Logitech Mini Controller」はGoogle TV用のdiNovo Miniといった感じの手のひらサイズのキーボードだ。ミニキーボードとクリックパッドを備える。
3つめは多機能携帯用アプリ「Logitech Harmony」で、AndroidアプリとiOSアプリを用意する。タッチスクリーンでソフトウエアベースのトラックパッド、キーボード、デバイスボタンなどを操作、またはジェスチャーによる操作、音声による検索入力などが可能だ。Logitechのスマートリモコンに用いられているテクノロジ"Harmony"を名前に持つように、同アプリからTVやセットトップボックス、AVレシーバーなどを連携させた操作が可能だ。例えばHarmonyアプリでGoogle TVをオフにするボタンをワンタップすると、Revueボックスだけではなく、ステータスを保持した状態でシステム全体がオフになる。Android携帯で再生中のYouTube動画をHarmonyで共有すると、Revue、TV、レシーバーなどがすべて自動的にオンになって、TV画面上でYouTube動画の再生が始まる。
Logitechは「Logitech Media Player」というアプリを用意し、これを利用するとNASやパソコン内の動画や音楽などもGoogle TVを通じて楽しめる。